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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1904.01591
Benatti et al. (2019)
A possibly inflated planet around the bright, young star DS Tuc A
(明るい若い恒星きょしちょう座DA星A の周囲にある可能性のある膨張した惑星)

概要

系外惑星の研究の主要なトピックの一つは,観測されている惑星系の構造の多様性の起源である.

若い恒星周りの統計的に大量の惑星のサンプルがあれば惑星形成と進化の初期段階の研究を行うことが出来るが,これまでの観測ではそのような惑星は少数しか知られていない.この観点から,NASA の TESS は現在全天のおよそ 85% の範囲で短周期のトランジット惑星の探査を行っており,この研究に重要な寄与をすることが期待されている.

TESS の最初の一ヶ月の観測で,若い恒星の集まりであるきょしちょう座・ とけい座アソシエーション (Tuc-Hor association,~4000 万歳) のメンバーの周りに,8.14 日周期の惑星候補天体を発見した.これは DS Tuc (きょしちょう座DS星) の連星系の主星である G6V 星の周りに発見されたものである.惑星であると確認されれば,視線速度や大気の特徴付けに適した若い恒星の周りの初めてのトランジット惑星ということになる.

ここでは,この候補天体が惑星であることを実証し,軌道と物理パラメータを決定することを目的とした解析を行った.TESS の光度曲線の独立した処理を改善した恒星のパラメータで行い,また連星の伴星から引き起こされる影響も考慮した.

高精度の視線速度観測のアーカイブデータの解析から,惑星質量に 0.94 木星質量という上限値を与えた.また補償光学を用いた撮像観測から,軌道長半径が 40 au を超える外側の伴星の存在を排除した.

結果として,きょしちょう座DS星A の周りに若い巨大惑星を確認した,この惑星は 0.5 木星半径であり,理論的な質量は 20 地球質量より軽く,おそらくは膨張した半径を持つ.

パラメータ

きょしちょう座DS星A
等級:V = 8.469
スペクトル型:G6V
有効温度:5542 K
金属量:[Fe/H] = -0.08
自転周期:2.8515 日
質量:0.959 太陽質量
半径:0.872 太陽半径
年齢:4000 万歳
きょしちょう座DS星Ab (DS Tuc b)
軌道周期:8.1387 日
半径:0.50 木星半径
きょしちょう座DS星B
等級:V = 9.84
スペクトル型:K3Ve
有効温度:4653 K
質量:0.782 太陽質量
半径:0.769 太陽半径

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