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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1907.07267
Zak et al. (2019)
High-resolution transmission spectroscopy of four hot inflated gas giant exoplanets
(4 つの高温な膨張した巨大ガス系外惑星の高分散透過分光)

概要

透過スペクトルを取得することで,トランジットする系外惑星の大気の化学組成への制約を与えることができる.これは非常に高いシグナルノイズ比での分光観測 (あるいは分光測光観測) に依存しており,そのため中心星が明るい系が適している.

TESS,NGST と PLATO の時代では,中規模の望遠鏡にとってもより適した観測対象が発見される.さらに,長期に渡る系外惑星大気のモニタリング観測のベースとなる可能性のある,豊富なアーカイブデータが得られる.
ここでは,4 つのトランジットする膨張した系外惑星の,HAPRS での分光時系列アーカイブデータを解析した.解析した対象は WASP-76b,WASP-127b,WASP-166b,KELT-11b で,主要な目的はナトリウムの二重項,水素 (Hα,Hβ),リチウム (670.8 nm) である.

アーカイブデータの中には,惑星がトランジットをおこしている最中の時系列データも含まれている.トランジット中とトランジット外のデータを比較し,恒星のスペクトル線を除去し,惑星大気による吸収を探査した.また同時に,Mg I と Ca I 線を用いて恒星活動もモニターした.

その結果,WASP-76b の大気中から 7-9σ の水準で独立にナトリウムを検出した.さらに,WASP-127b の大気中でのナトリウムの検出を 4-8σ の信頼度で報告する.これは過去の低分散分光観測による結果を確認するものである.
WASP-166b と KELT-11b では高い信頼度でナトリウムもその他の原子も検出の証拠が得られなかった.これは大気の高高度に厚い雲が存在することを示唆する.

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