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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1910.14004
Bolin et al. (2019)
Characterization of the Nucleus, Morphology and Activity of Interstellar comet 2I/Borisov by Optical and Near-Infrared GROWTH, Apache Point, IRTF, ZTF, Keck and HST Observations
(可視光と近赤外線の GROWTH,アパッチポイント,IRTF,ZTF,ケックと HST の観測による恒星間彗星ボリソフ彗星の核,形状と活動の特徴付け)

概要

恒星間彗星 2I/Borisov (ボリソフ彗星) の,可視光と近赤外線の測光および分光観測について報告する.これは Global Relay of Observatories Watching Transients Happen (GROWTH) によるコラボレーションにて,2019 年 9 月 10 日から 10 月 25 日まで行われたものである.

観測は,アパッチポイント天文台の Astrophysical Research Consortium 3.5 m 望遠鏡 (ARC 3.5 m),および Zwicky Transient Facility での,彗星発見前の 2019 年 3 月 17 日から 5 月 5 日までの観測結果も合わせて解析した.

過去の遠方の彗星の測光撮像サーベイと比較すると,ボリソフ彗星は脱ガス率が ~1027 mol/s のやや活発な太陽系の彗星と非常に類似した特徴を示す.

B, g, V , r, R, i, I, および z バンドで撮影された測光観測では,9 月 11 日の発見報告以降,1 日あたり ~0.03 等級のペースで徐々に明るくなる傾向が継続した.また,核の周囲のコマ部分が支配的な,中間的から赤っぽい色を示した.

GROWTH で得られたデータから,彗星の光度曲線を,発見前の ZTF による観測まで拡張した結果,6 au 以遠での CO 放射に駆動される彗星の脱ガスモデルと似た明るさの傾向が見られることが明らかになった.
最新の測光観測結果に見られる傾向は,彗星からの水の揮発が進行していることを示唆している.

2019 年 10 月 4 日に撮影されたケック望遠鏡の補償光学を用いた近赤外線高分解画像によって,コマからの散乱光を大きく減衰させる高度な機能を用いることが可能となった.これを用いて,ボリソフ彗星の核の直径の上限値として ~3 km という値を与えた.この直径の上限の推定値はハッブル宇宙望遠鏡による高分解能画像でも確認されたが,核の実際の大きさは,サイズ測定の際のダストの影響の除去が不完全であることから,また彗星のコマからのシグナルはボリソフ彗星の全断面積の強い成分であるため,どちらの望遠鏡での推定よりも数倍小さい可能性がある.

結果として,宇宙空間からの 7 時間の間の観測の間に,自転による変動の識別可能な証拠は見られなかった.

初めて発見された恒星間天体である 1I/’Oumuamua (オウムアムア) のサイズ推定と合わせ,ボリソフ彗星の直径の上限値の推定を用いて,恒星間天体の累積サイズ分布の傾きの大まかな推定を行った.

その結果傾きは -2.7 で,太陽系の彗星の累積サイズ分布と類似していることが分かった.ただし,統計的に発見数が少ないことと,ここでのボリソフ彗星の直径の推定は上限値であるという事実から,恒星間天体のサイズ分布の実際の傾きはこれよりもずっと急である可能性がある.

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