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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2002.06720
Grundy et al. (2020)
Color, Composition, and Thermal Environment of Kuiper Belt Object (486958) Arrokoth
(カイパーベルト天体アロコスの色,組成と熱環境)

概要

外部太陽系天体の (486958) Arrokoth (アロコス,仮符号は 2014 MU69) は,形成されて以降,大きな変化を経験していない天体であると考えられる.ここでは,ニューホライズンズの観測データを用いてアロコスの表面組成を研究した.

その結果,表面にはメタノールの氷が有機物質とともに存在しており,これは単純な分子が輻射によって形成されたことでできたものだと考えられる.また,水の氷は検出されなかった.この組成は,CO 豊富な氷の水素化か,メタンと水氷のエネルギー過程 (あるいはその両方) が,初期太陽系の低温な外縁部で発生したことを示唆するものである.

また表面の色とスペクトルの領域ごとの変化は小さかった.そのためアロコスは一様な固体か,もしくはよく混合された固体の集まりから形成されたことが示唆される.冬の夜側からのマイクロ波の熱放射は,平均輝度温度 29 ± 5 K と整合的である.

アロコスの観測

ニューホライズンズは,アロコスを 2019 年初頭に通過して観測した.

自転周期は 15.9 時間で,公転周期は 298 年である.自転軸は軌道に対して 99.3° 傾斜している.太陽からの平均距離は 44.2 au で,軌道離心率は 0.03 とほぼ円軌道,軌道傾斜角は 2.4° である.

アロコスはカイパーベルト天体の一員であり,低温な古典的カイパーベルト天体 (cold classical Kuiper belt object, CCKBO) の “kernel” サブ集団に属する.CCKBO は,より励起された軌道にある KBO 天体とは異なる起源と特性を持つ.励起された軌道にあるものは,より太陽に近い位置で形成され,その後巨大惑星の移動に伴って摂動を受けたと考えられる.CCKBO は原始惑星系円盤内の形成された場所に留まっていると考えられる.

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