忍者ブログ
日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2002.07188
Chen & Lin (2020)
How efficient is the streaming instability in viscous protoplanetary disks?
(粘性原始惑星系円盤の中でストリーミング不安定性はどれだけ効率的か?)

概要

ストリーミング不安定性は,濃集したダスト粒子が重力崩壊することによる,微惑星形成のポピュラーな候補過程である.しかし原始惑星系円盤の中でストリーミング不安定性が発生する物理的な条件については不明確である.
特に,乱流による粒子のかき混ぜは不安定性を抑制する可能性がある.この効果を定量化するため,ガスの粘性と粒子の拡散をモデル化することによる,外的乱流を伴ったストリーミング不安定性の線形理論を開発した.

その結果,ストリーミング不安定性は乱流に敏感で,粒子のストークス数と粘性の α について,\(\alpha\gtrsim {\rm St^{1/5}}\) の場合は不安定性の成長率が無視できることを見出した.

空隙率の高いダスト粒子に適用可能と思われる,非線形抵抗則の効果について調査を行ったところ,成長率は多少抑えられることが判明した.また,ガスの圧縮性は,拡散の効果を減少させることで成長率を増加させることが分かった.

開発した線形理論を,粘性原始惑星系円盤の大局モデルに応用した.
最小質量太陽系円盤モデルの場合,cm サイズの粒子で乱流が弱い (α~10-4) 場合であっても,ストリーミング不安定性は円盤寿命の間に数十 AU 以遠のみでしか成長しないことが分かった.今回の結果は,特に小さい粒子の場合,整流状態ではない原始惑星系円盤の中ではストリーミング不安定性を引き起こすのはいくぶんか難しいことを示唆している.

拍手[0回]

PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック