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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2002.07185
Schäfer et al. (2020)
On the coexistence of the streaming instability and the vertical shear instability in protoplanetary disks
(原始惑星系円盤内でのストリーミング不安定性と鉛直シア不安定性の共存について)

概要

ストリーミング不安定性 (streaming instability) は,微惑星形成を説明する主要なメカニズムの候補である.しかし,原始惑星系円盤の乱流の駆動におけるこの不安定性の役割は,この線形流体力学不安定性としての基本的な性質を考えると,これまでに詳細に調査されていない.

ここでは,ストリーミング不安定性と,鉛直シア不安定性 (vertical shear instability) との相互作用によって引き起こされる乱流について調査を行った.FLASH Code を用いて 2 次元軸対称大局円盤シミュレーションを実施した.シミュレーションの範囲は 1-100 au で,ガスとダストの相互摩擦と,動径方向・鉛直方向の恒星重力も含めた.

その結果,もしストリーミング不安定性と鉛直シア不安定性がその成長を同じタイミングで開始する場合,ダストの円盤平面層における乱流は,主にストリーミング不安定性によって駆動されていることを見出した.この場合,マッハ数が最大で 10-2 の鉛直方向のガスの動きが生じる.またダストのスケールハイトは,ガスのスケールハイトのおよそ 1% に自己調節的に設定される.

対照的に,シミュレーション中にダストを導入する前に鉛直シア不安定性が飽和する場合,この不安定性はダスト層の乱流の主要な原因であり続けることが分かった.鉛直シア不安定性はマッハ数 ~10-1 の乱流を誘起し,ダストの沈殿を阻害する.それにも関わらず,鉛直シア不安定性とストリーミング不安定性が組み合わさることで,ストリーミング不安定性単独で形成されるよりも遥かに高密度で長寿命な動径方向のダストの濃集が発生することが判明した.

したがって,鉛直シア不安定性は,ストリーミング不安定性の種としてはたらく弱い密度過剰を形成することで,微惑星形成を促進する可能性がある

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