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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:2002.08381
Kane et al. (2020)
The Dark Planets of the WASP-47 Planetary System
(WASP-47 惑星系の暗い惑星)
WASP-47 系はそのどちらの特徴も併せ持っているという点で,特に良い研究対象である.この系はコンパクトな惑星軌道を持ち,ハビタブルゾーン内に軌道離心率の大きな巨大惑星を持つ.
ここでは,WASP-47 系の惑星の大気の検出と特徴付けを行う.この系の構造について議論し,またさらなる長周期の惑星の存在可能性についても議論する.
ケプラーの K2 ミッションによる精密な測光観測結果の解析を行った.解析からは,2 つの最も内側の惑星からの位相の特徴の検出は否定された.このことから,これらの惑星のアルベドと大気特性に制約が与えられた.
今回の結論としては,WASP-47b は「暗い」惑星の一例であり,暫定的な幾何アルベドの測定値は 0.016,1σ の上限値は 0.17 である.また WASP-47e のデータは広い範囲のアルベドの値と整合的であるが,比較的低いアルベドを持つという暫定的な証拠が示された.
最も内側の WASP-47e は軌道周期 0.789592 日,軌道長半径 0.0169 AU,6.83 地球質量,1.810 地球半径である.WASP-47b は軌道周期 4.1591289 日,軌道長半径 0.0513 AU,363.1 地球質量で 12.63 地球半径である.WASP-47d は軌道周期 9.03077 日,軌道長半径 0.0860 AU,13.1 地球質量 3.576 地球半径で,この 3 つがトランジットを起こしている惑星である.
これらに加えて視線速度法によって検出された WASP-47c があり,軌道周期 588.5 日,軌道長半径 1.393 AU,398.2 地球質量である.非トランジット惑星なので半径は不明だが,ここでは 1.0 木星半径であることを仮定した.
中心星のハビタブルゾーンは,保守的なハビタブルゾーンの場合は 1.01-1.80 AU,楽観的ハビタブルゾーンは 0.80-1.89 AU である.WASP-47c は,保守的なハビタブルゾーン内縁のわずかに内側から,保守的なハビタブルゾーン外縁のわずかに外側までを横断するような離心軌道にある.
arXiv:2002.08381
Kane et al. (2020)
The Dark Planets of the WASP-47 Planetary System
(WASP-47 惑星系の暗い惑星)
概要
コンパクトな軌道配置の惑星系は,惑星の形成と軌道力学の進化という観点で興味深い.また,離心軌道にある巨大惑星は興味深い研究対象である.これは,このような系は過去に惑星-惑星散乱による力学的な歴史を経験していると考えられるからである.WASP-47 系はそのどちらの特徴も併せ持っているという点で,特に良い研究対象である.この系はコンパクトな惑星軌道を持ち,ハビタブルゾーン内に軌道離心率の大きな巨大惑星を持つ.
ここでは,WASP-47 系の惑星の大気の検出と特徴付けを行う.この系の構造について議論し,またさらなる長周期の惑星の存在可能性についても議論する.
ケプラーの K2 ミッションによる精密な測光観測結果の解析を行った.解析からは,2 つの最も内側の惑星からの位相の特徴の検出は否定された.このことから,これらの惑星のアルベドと大気特性に制約が与えられた.
今回の結論としては,WASP-47b は「暗い」惑星の一例であり,暫定的な幾何アルベドの測定値は 0.016,1σ の上限値は 0.17 である.また WASP-47e のデータは広い範囲のアルベドの値と整合的であるが,比較的低いアルベドを持つという暫定的な証拠が示された.
WASP-47 系について
WASP-47 系は,内側の 3 つのトランジット惑星と,トランジットしない外側の離心軌道 (e = ~0.3) にある惑星 1 つの計 4 つの惑星を持つ.最も内側の WASP-47e は軌道周期 0.789592 日,軌道長半径 0.0169 AU,6.83 地球質量,1.810 地球半径である.WASP-47b は軌道周期 4.1591289 日,軌道長半径 0.0513 AU,363.1 地球質量で 12.63 地球半径である.WASP-47d は軌道周期 9.03077 日,軌道長半径 0.0860 AU,13.1 地球質量 3.576 地球半径で,この 3 つがトランジットを起こしている惑星である.
これらに加えて視線速度法によって検出された WASP-47c があり,軌道周期 588.5 日,軌道長半径 1.393 AU,398.2 地球質量である.非トランジット惑星なので半径は不明だが,ここでは 1.0 木星半径であることを仮定した.
中心星のハビタブルゾーンは,保守的なハビタブルゾーンの場合は 1.01-1.80 AU,楽観的ハビタブルゾーンは 0.80-1.89 AU である.WASP-47c は,保守的なハビタブルゾーン内縁のわずかに内側から,保守的なハビタブルゾーン外縁のわずかに外側までを横断するような離心軌道にある.
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