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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2003.05528
Ehrenreich et al. (2020)
Nightside condensation of iron in an ultra-hot giant exoplanet
(超高温巨大系外惑星における鉄の夜側での凝縮)

概要

ウルトラホットジュピターは地球の数千倍の輻射を受けている.温度が 2000 K 以上と高いため,極端な惑星の気候と化学過程を研究する上で理想的な対象である.

ウルトラホットジュピターの昼側大気には雲がないと予想されており,大気成分は原子で占められており,夜側大気よりずっと高温である.原子は低温な夜側では再結合して分子となり,昼夜間で異なる化学過程を引き起こす.

ウルトラホットジュピターでは金属元素と大きな温度差の存在が観測されている一方,このような系外惑星の表面にわたる化学組成の勾配はこれまでに測定されていない.昼から夜に向かう部分 (“夕方”) と夜から昼へ向かう部分 (“朝”) の昼夜境界 (terminator) での異なる大気化学は,トランジット最中の非対称な吸収特性から明らかにすることが出来る.

ここでは,極めて高温な系外惑星 WASP-76b の非対称な大気特徴の検出を報告する.この特徴を,集光面積の大きな高分散分光観測の組み合わせにより,スペクトル的および時間的に分解することができた.

大気中の中性の鉄原子に起因する吸収の特徴は,公転に後行する側の縁では -11 ± 0.7 km s-1 青方偏移しており,これは惑星の自転と高温の昼側からの風で説明可能な値である.
一方で,朝の境界線に近い夜側からはシグナルが検出されなかった.このことは,この領域では鉄元素は恒星光を吸収していないことを意味する.そのため,鉄は惑星の夜側大気を進む途中で凝縮しているはずである

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