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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2003.07922
Hashimoto et al. (2020)
Accretion Properties of PDS 70b with MUSE
(MUSE による PDS 70b の降着特性)

概要

VLT/MUSE の観測に基づく PDS 70b の降着特性の新しい評価について報告する.

過去の Haffert et al. (2019),Aoyama & Ikoma (2019) での報告との主要な違いは,惑星への降着率である.Hα 線や Hβ 線のような複数のスペクトル線の同時観測により,降着する惑星の物理特性をより良く制約可能である.

PDS 70b からは明確に Hα の放射が検出されたが,Hβ は検出されなかった.Hβ のスペクトル線のフラックスを 3σ の上限で 2.3 × 10-16 erg s-1 cm-2 と推定し,\(F_{\rm{H}\beta}/F_{\rm{H}\alpha}\) のフラックス比は 0.28 未満であった.

Aoyama et al. (2018) の数値的な調査からは,励起が無視できるのであれば \(F_{\rm{H}\beta}/F_{\rm{H}\alpha}\) は 1 に近くなることが示唆される.フラックス比の減少の理由は減光にあると考え,PDS 70b での Hα の減光は 2.0 mag より大きいと推定した.

Hα の線幅と Hα の dereddening line luminosity から,降着率は ≳5 × 107 木星質量/年 と推定した.この降着率は,PDS 70 の降着率よりも一桁大きい.充填率 (Hα を放射している惑星表面の面積の割合) は ≳0.01 であり,典型的な恒星の値に似ていることを見出した.この小さな値は,Hα を放射する領域は PDS 70b の表面で局所化されていることを示唆している.

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