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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1512.05549
Southworth et al. (2015)
High-precision photometry by telescope defocussing. VIII. WASP-22, WASP-41, WASP-42 and WASP-55
(望遠鏡のデフォーカスによる高精度測光観測 VIII:WASP-22, WASP-41, WASP-42, WASP-55)

概要

トランジット惑星を持つ 4つの恒星 WASP-22, WASP-41, WASP-42, WASP-55 の高精度測光観測を行った。この恒星はどれも南天の明るい恒星である。この系のもつ 4つのガス惑星は、どれもガス惑星の進化モデルの予測よりも大きく膨張した半径を持っている。特に WASP-55bは理論予測からのズレが最も大きく、0.63木星質量で 1.34木星半径を持っている。

WASP-41ではトランジットの最中に光度曲線に異常が検出された。これは、惑星が黒点の手前を通過したことによるものだと考えられる。3.1日の間隔で 2つの異常が検出されており、これは同じ黒点によるものである可能性がある。ここから黒点の位置変化を割り出し、恒星の自転周期を 18.6日と推定した。この結果は、先行観測での黒点による光度変動の結果と整合的なものである。また天球面上に投影された自転軸の傾斜角は 6° ± 11° であった。

各惑星系の特徴

WASP-22

この系では、WASP-22b が Maxted et al. (2010)によって発見されている。この惑星は低密度であり、0.56木星質量、1.12木星半径である。また中心星の等級は V = 11.7、惑星の公転周期は 3.53日である。

視線速度に線形のトレンドがあることが報告されており、おそらくは M型矮星が存在すると示唆されている (Knutson et al. 2014)。

WASP-41

この系では、WASP-41b がMaxted et al. (2011)によって発見されている。0.94木星質量、1.06木星半径であり、軌道周期 3.05日のホットジュピターである。中心星は V = 11.6、スペクトル型 G8V である。中心星は磁気的な活動から、若い年齢であると考えられている。

この系では、軌道周期が 421日の 3体目の天体が検出されており、質量は 3.18木星質量である (Neveu-VanMalle et al. 2015)。

この惑星のトランジット光度曲線中には異常が検出された。2015年5月13日のトランジット中に光度曲線に変動があり、これは 1つの黒点の手前を惑星が通過したことによると考えると説明ができる。

さらに 2015年5月17日にはより複雑な光度曲線の変動が検出された。これは、2つの輝度が異なる黒点を惑星が連続して通過した事によるものだと考えられる。このうち、1回目のトランジット時の黒点と、2回目のトランジット時の片方の黒点は同一のものであると考えられる。

WASP-42

この系では、WASP-42b が Lendl et al. (2012)によって発見されている。この惑星は低密度であり、0.50木星質量、1.12木星半径である。軌道周期は 4.98日、中心星の等級は V = 12.6、スペクトル型が K1V である。

この惑星の軌道離心率は 0.06 であり、これは小さい値であるが無視できない大きさである。ただし、この系に関しては発見報告論文以外にはまだ情報が存在しない。

WASP-55

この系では、WASP-55b が Hellier et al. (2012)によって発見されている。この惑星はこれら 4つの惑星の中で最も低密度であり、0.50木星質量、1.30木星半径を持っている。軌道周期は 4.47日であり、中心星のスペクトル型は G1V である。

この系に関しても、発見報告論文以外には情報が存在しない。しかしケプラーの K2 ミッションの Field 6 の範囲内であるため (Howell et al. 2014)、いずれ更なるデータが参照できるだろう。

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