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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1604.07610
Díaz et al. (2016)
The SOPHIE search for northern extrasolar planets. XI. Three new companions and an orbit update: Giant planets in the habitable zone
(SOPHIE による北天の系外惑星探査 XI.3 つの新しい天体と 1 つの軌道のアップグレード:ハビタブルゾーン内の巨大惑星)
また,SOPHIE と Rick 天文台での視線速度観測データから,既に存在が知られていた系外惑星 HD 16175b のパラメータの精度を改善した.
異なる機器によるデータを組み合わせたことにより,全 4 天体のデータのスパンは 10 年以上にわたる.
今回発見された惑星・褐色矮星候補天体は,軌道周期が 3 - 5 年,最小質量は 1.6 - 19 木星質量である.また,HD 191806 では 1 年につき 11 m s-1 の永年加速が検出され,さらなる恒星・準恒星天体が存在する可能性がある.
また,ヒッパルコス衛星での観測データから,これらの天体のアストロメトリを調べたが,軌道の検出は無かった.しかし HD 221585 に付随している天体の質量には上限を与えることができ,伴星は恒星未満の質量であることが判明した.
HD 191806b 以外は中心星のハビタブルゾーンの内部にある.そのため,これらの惑星・褐色矮星が衛星を持っていた場合は,その衛星は生命の発展に適した環境にあるかもしれない.
等級:7.291
光度:3.22太陽光度
質量:1.34太陽質量
有効温度:6022 K
金属量:[Fe/H] = 0.37
自転周期:19.7日
年齢:3.3 Gyr
軌道離心率:0.637
軌道長半径:2.148 AU
最小質量;4.77木星質量
HD 16175b は Lick 天文台の視線速度観測で既に発見されていた惑星である (Peek et al. 2009).この発見報告論文では,軌道離心率は 0.59 ± 0.11,軌道周期 990日,最小質量 4.40木星質量と報告されていた.今回得られた値は概ねこれと整合的であった.しかし精度は改善されている.
光度:2.23太陽光度
質量:1.14太陽質量
有効温度:6010 K
金属量:[Fe/H] = 0.30
自転周期:20.6日
年齢:2.9 Gyr
軌道離心率:0.259
軌道長半径:2.80 AU
最小質量;8.52木星質量
等級:8.078
光度:4.35太陽光度
質量:1.22太陽質量
有効温度:6215 K
金属量:[Fe/H] = 0.17
自転周期:17.5日
年齢:2.7 Gyr
軌道離心率:0.154
軌道長半径:3.18 AU
最小質量;19.2木星質量
等級:7.474
光度:2.64太陽光度
質量:1.19太陽質量
有効温度:5620 K
金属量:[Fe/H] = 0.29
自転周期:33.3日
年齢:6.2 Gyr
軌道離心率:0.123
軌道長半径:2.306 AU
最小質量;1.61木星質量
この惑星に関しては,質量が小さいため中心星の動きも小さい.そのため,軌道離心率への制限は弱い (誤差が大きい) ものとなっている.
arXiv:1604.07610
Díaz et al. (2016)
The SOPHIE search for northern extrasolar planets. XI. Three new companions and an orbit update: Giant planets in the habitable zone
(SOPHIE による北天の系外惑星探査 XI.3 つの新しい天体と 1 つの軌道のアップグレード:ハビタブルゾーン内の巨大惑星)
概要
Haute-Provence 天文台での視線速度観測より,太陽型星 HD 191806,HD 214823,HD 221585 のまわりに 3 つの新しい天体を検出した.SOPHIE による分光観測のデータと,ELODIE でのデータを組み合わせ,これらの惑星・褐色矮星候補天体のパラメータを決定した.また,SOPHIE と Rick 天文台での視線速度観測データから,既に存在が知られていた系外惑星 HD 16175b のパラメータの精度を改善した.
異なる機器によるデータを組み合わせたことにより,全 4 天体のデータのスパンは 10 年以上にわたる.
今回発見された惑星・褐色矮星候補天体は,軌道周期が 3 - 5 年,最小質量は 1.6 - 19 木星質量である.また,HD 191806 では 1 年につき 11 m s-1 の永年加速が検出され,さらなる恒星・準恒星天体が存在する可能性がある.
また,ヒッパルコス衛星での観測データから,これらの天体のアストロメトリを調べたが,軌道の検出は無かった.しかし HD 221585 に付随している天体の質量には上限を与えることができ,伴星は恒星未満の質量であることが判明した.
HD 191806b 以外は中心星のハビタブルゾーンの内部にある.そのため,これらの惑星・褐色矮星が衛星を持っていた場合は,その衛星は生命の発展に適した環境にあるかもしれない.
パラメータ
HD 16175系
HD 16175
スペクトル型:G0等級:7.291
光度:3.22太陽光度
質量:1.34太陽質量
有効温度:6022 K
金属量:[Fe/H] = 0.37
自転周期:19.7日
年齢:3.3 Gyr
HD 16175b
軌道周期:995.4日 (2.2751年)軌道離心率:0.637
軌道長半径:2.148 AU
最小質量;4.77木星質量
HD 16175b は Lick 天文台の視線速度観測で既に発見されていた惑星である (Peek et al. 2009).この発見報告論文では,軌道離心率は 0.59 ± 0.11,軌道周期 990日,最小質量 4.40木星質量と報告されていた.今回得られた値は概ねこれと整合的であった.しかし精度は改善されている.
HD 191806系
HD 191806
等級:8.093光度:2.23太陽光度
質量:1.14太陽質量
有効温度:6010 K
金属量:[Fe/H] = 0.30
自転周期:20.6日
年齢:2.9 Gyr
HD 191806b
軌道周期:1606.3日 (4.398年)軌道離心率:0.259
軌道長半径:2.80 AU
最小質量;8.52木星質量
HD 214823系
HD 214823
スペクトル型:G0V等級:8.078
光度:4.35太陽光度
質量:1.22太陽質量
有効温度:6215 K
金属量:[Fe/H] = 0.17
自転周期:17.5日
年齢:2.7 Gyr
HD 214823b
軌道周期:1877日 (5.138年)軌道離心率:0.154
軌道長半径:3.18 AU
最小質量;19.2木星質量
HD 221585系
HD 221585
スペクトル型:G8IV等級:7.474
光度:2.64太陽光度
質量:1.19太陽質量
有効温度:5620 K
金属量:[Fe/H] = 0.29
自転周期:33.3日
年齢:6.2 Gyr
HD 221585b
軌道周期:1173日 (3.212年)軌道離心率:0.123
軌道長半径:2.306 AU
最小質量;1.61木星質量
この惑星に関しては,質量が小さいため中心星の動きも小さい.そのため,軌道離心率への制限は弱い (誤差が大きい) ものとなっている.
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