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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1610.01333
Fukui et al. (2016)
Ground-based Transit Observation of the Habitable-zone super-Earth K2-3d
(ハビタブルゾーン内のスーパーアース K2-3d の地上からのトランジット観測)

概要

K2-3d の初めての地上からのトランジット観測を行った.この惑星は 1.5 地球半径であり,明るい M 型星のハビタブルゾーン内にあると考えられている.

観測には,岡山の 188 cm 望遠鏡の多波長 (g, r, z バンド) 撮像装置の MuSCAT を用いた.トランジット深さは 0.7 mmag であり,MuSCAT の測光精度よりも小さいが (g, r, z それぞれで 60 秒で 1.2, 0.9, 1.2 mmag),3 バンドで,わずかだが整合的なトランジットシグナルを検出することが出来た.

今回の観測により,K2-3d の軌道周期の精度を改善し,周期は 44.55612 日となった.これにより,2019年 (ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡での観測が可能になっている時期) のトランジットの時刻を ~ 80 分改善することが出来た.

この観測では,
  1. 地上の 2 m 望遠鏡でも,小サイズ・長周期の惑星の天体暦の改善に重要な役割を果たす
  2. 多波長撮像装置は,地球大気由来の系統的な影響 (特に青い波長側での) を軽減するのに有用であり,また標高の低い場所からの観測で有用である
という事が示された.

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