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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.08639
Bond et al. (2017)
The Lowest Mass Ratio Planetary Microlens: OGLE 2016-BLG-1195Lb
(最も質量比の小さい惑星のマイクロレンズ:OGLE 2016-BLG-1195Lb)

概要

OGLE 2016–BLG–1195 の重力マイクロレンズイベントの光度曲線の観測から,重力マイクロレンズで発見された中で最も質量比の小さい系外惑星の発見を報告する.この惑星は,単一のマイクロレンズ現象からの小さいずれとして検出された.

惑星によるシグナルの継続時間は ~ 2.5 時間であった.また,測定された惑星質量と中心星の質量比は 4.2 ± 0.7 × 10-5 であった.また,レンズ系は,0.2 太陽質量の恒星を公転し,中心星から ~ 2 AU と離れた軌道を持つ,冷たい ~ 3 地球質量の惑星系と推定される.また,この系までの距離は 7.1 kpc である.

議論

今回検出された惑星 OGLE 2016–BLG–1195b の中心星に対する質量比は,これまでにマイクロレンズで発見された惑星の中では最も小さい値である.その他にこれに近い小さな質量比を持つものは,連星系の中の惑星 OGLE-2013-BLG- 0341L である (Gould et al. 2014).ただしこれは,Gould et al. (2014) のシグナルの解釈として,周連星惑星ではなく,遠距離の連星モデルを仮定した場合である.

今回発見されたこの惑星は,質量比が 10-4 を下回る 6 番目のマイクロレンズ惑星である.これまでの質量比が 10-4 を下回る例は,OGLE-2013-BLG- 0341LBb,OGLE 2005–BLG–390Lb (Beaulieu et al. 2006),OGLE 2005–BLG–169Lb (Gould et al. 2006, Bennett et al. 2015, Batista et al. 2015),OGLE-2007-BLG-368Lb (Sumi et al. 2010),MOA 2009–BLG-266Lb (Muraki et al. 2011) がある.

惑星と中心星の質量比は事実上全てのマイクロレンズイベントで測定されるため,マイクロレンズで探査された惑星系は,質量比の観点から統計的な性質について記述可能である.
最近の MOA サーベイの 2007 - 2012 年のデータを統計的に解析した結果,質量比の関数のべき乗則が途中で変化していることが示唆されている (Suzuki et al. 2016).質量比が 3 × 10-5 より小さい惑星が発見されていないため,このべき乗則の変化が起きていると思われる ~ 6.7 × 10-5 の詳細な位置はいくぶんか不明瞭なものになっている.今回発見された惑星はこの質量比に近い値を持つが,べき乗則の変化には制約を与えることはできなかった.

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