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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1507.08532
Motalebi et al. (2015)
The HARPS-N Rocky Planet Search I. HD219134b: A transiting rocky planet in a multi-planet system at 6.5 pc from the Sun
(HARPS-NでのRocky Planet Search 1. HD 219134b:複数惑星系でのトランジット岩石惑星)
観測は、Telescopio Nazionale Galileo in La PalmaのHARPS-Nによる"Rocky Planet Search"プロジェクトによって行われた。
今回の発見は、このプロジェクトでの最初の成果である。
もっとも内側の惑星は、軌道周期が 3.0937日、軌道長半径 0.0382 AUの準円軌道である。
スピッツァー宇宙望遠鏡を用いてこの惑星のトランジット観測にも成功した。
現段階で、HD219134bは太陽系から最も近いトランジット惑星である。
視線速度変動は 2.33 m s-1であり、トランジット深さは 359 ppmである。
これは、4.46地球質量、 1.606地球半径に対応する。
また平均密度は 5.89 g cm-3であり、岩石惑星であることを示唆する結果である。
0.265太陽光度、0.778太陽半径、0.78太陽質量、有効温度は 4699 K、金属量は [Fe/H] = 0.11 dexである、
また、恒星の活動から推定した自転周期は 42.3日である。
詳細なパラメータは上述。
その外側の惑星はHD 219134cであり、最小質量が 2.67地球質量、準円軌道で 6.765日で0.064 AUの軌道を公転している。
さらに外側にはHD 219134dがあり、最小質量が 8.7地球質量、軌道周期は 46.78日、軌道長半径は 0.234 AUである。
軌道離心率は 0.32でやや楕円軌道である。
なおこの惑星は中心星の自転周期の推定である 42.3日と近くなっている。しかし恒星活動との相関は検出されず、惑星によるシグナルであると考えられる。
一番外側を公転するのがHD 219134eで、62地球質量、軌道周期は 1190日、軌道長半径は 2.14 AUである。
離心率は 0.27とこちらもやや楕円軌道である。
計算には4次のエルミート法を用いている。
ほぼ同一平面に存在すると仮定し、またトランジット観測からは傾斜角は ~5°つけている。
計算の結果、最も外側の惑星が 106回公転する間は安定であることがわかった。
より一般的な、一般相対論や潮汐力による解析については将来の課題である。
平均密度は 5.89 ± 1.17 g cm-3であり、1.606地球半径の惑星が地球と同じ組成だったとした場合の 6.90g cm-3になると予測されており、無矛盾な結果となった。
arXiv:1507.08532
Motalebi et al. (2015)
The HARPS-N Rocky Planet Search I. HD219134b: A transiting rocky planet in a multi-planet system at 6.5 pc from the Sun
(HARPS-NでのRocky Planet Search 1. HD 219134b:複数惑星系でのトランジット岩石惑星)
概要
等級が 5.5と明るく、太陽系からの距離が 6.5 pcと近距離に存在する HD 219134の周りに、視線速度法を用いて4つの低質量惑星を発見した。観測は、Telescopio Nazionale Galileo in La PalmaのHARPS-Nによる"Rocky Planet Search"プロジェクトによって行われた。
今回の発見は、このプロジェクトでの最初の成果である。
もっとも内側の惑星は、軌道周期が 3.0937日、軌道長半径 0.0382 AUの準円軌道である。
スピッツァー宇宙望遠鏡を用いてこの惑星のトランジット観測にも成功した。
現段階で、HD219134bは太陽系から最も近いトランジット惑星である。
視線速度変動は 2.33 m s-1であり、トランジット深さは 359 ppmである。
これは、4.46地球質量、 1.606地球半径に対応する。
また平均密度は 5.89 g cm-3であり、岩石惑星であることを示唆する結果である。
惑星系データ
中心星データ
中心星HD 219134は等級が 5.57であり、K3V型の星である。0.265太陽光度、0.778太陽半径、0.78太陽質量、有効温度は 4699 K、金属量は [Fe/H] = 0.11 dexである、
また、恒星の活動から推定した自転周期は 42.3日である。
惑星データ
一番内側の惑星がHD 219134bである。詳細なパラメータは上述。
その外側の惑星はHD 219134cであり、最小質量が 2.67地球質量、準円軌道で 6.765日で0.064 AUの軌道を公転している。
さらに外側にはHD 219134dがあり、最小質量が 8.7地球質量、軌道周期は 46.78日、軌道長半径は 0.234 AUである。
軌道離心率は 0.32でやや楕円軌道である。
なおこの惑星は中心星の自転周期の推定である 42.3日と近くなっている。しかし恒星活動との相関は検出されず、惑星によるシグナルであると考えられる。
一番外側を公転するのがHD 219134eで、62地球質量、軌道周期は 1190日、軌道長半径は 2.14 AUである。
離心率は 0.27とこちらもやや楕円軌道である。
議論
力学的安定性
GENGAコード (Grimm & Stadel 2014)を用いたN体計算を行い、系の安定性について考察した。計算には4次のエルミート法を用いている。
ほぼ同一平面に存在すると仮定し、またトランジット観測からは傾斜角は ~5°つけている。
計算の結果、最も外側の惑星が 106回公転する間は安定であることがわかった。
より一般的な、一般相対論や潮汐力による解析については将来の課題である。
HD 219134bの組成
HD 219134bは太陽系から最も近い距離にあるトランジット惑星である。平均密度は 5.89 ± 1.17 g cm-3であり、1.606地球半径の惑星が地球と同じ組成だったとした場合の 6.90g cm-3になると予測されており、無矛盾な結果となった。
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