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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1709.08635
Kreidberg et al. (2017)
Water, Methane Depletion, and High-Altitude Condensates in the Atmosphere of the Warm Super-Neptune WASP-107b
(ウォームスーパーネプチューン WASP-107b の大気中における水と,メタンの欠乏,高高度の凝縮物)

概要

スーパーネプチューン WASP-107b は,大気の特徴付けを行うための興味深い対象である.
この惑星は非常に大きな大気スケールハイトを持ち,また恒星のサイズは小さく,光度は明るい.そのため,現在の大気特性や惑星の形成過程を詳細に制限できる可能性がある.

ここでは,この惑星の初めての大気観測の結果を報告する.ハッブル宇宙望遠鏡を用いてこの惑星の近赤外線の透過スペクトルを測定した.

解析においては,この惑星の大気組成を 2 つの方法で決定した.透過スペクトルを元にした大気復元メソッドと,観測されている惑星質量と半径を元にした内部構造のモデル化である.

内部構造モデルでは,大気の金属量の 3 σ の上限値として,太陽金属量の 30 倍という値を与えた.
透過スペクトルからは,6.5 σ の信頼度で水の吸収の強い証拠を検出した.また水の存在度は,太陽組成パターンから期待される値と整合的であることが示唆された.この事は,大気の C/O 比が低いか,あるいは惑星内部からの熱フラックスが大きいことを示唆している.

検出された水の特徴は,雲が無い大気を持つ場合に予測されていたものよりも小さく,シグナルは 1 スケールハイト分よりも小さかった.

この観測結果を説明するためには,大気の高高度 (圧力で言うと 0.1 - 3 mbar) における,厚い凝縮物の層の存在が必要である,しかし,この気圧の高度に光学的に厚い凝縮物を生成することは難しい.

今回の発見は,系外惑星大気の多様性と複雑さを示す好例である.今後の観測装置を用いた,広範囲の波長をカバーした高精度の観測が待たれる.

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