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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1803.02832
Kennedy et al. (2018)
Kuiper Belt Analogues in Nearby M-type Planet-host Systems
(近傍の惑星を持った M 型星系におけるカイパーベルト類似構造)

概要

ハーシェルを用いた 21 個の晩期型星のサーベイ観測の結果について報告する.今回観測した恒星は,視線速度法で系外惑星が発見されているものである.このサーベイ観測の目的は,これらの惑星系に新しい円盤を検出し,惑星の存在と円盤の特性の間の何らかの相関について調査することである.

その結果,既に発見されていた GJ 581 まわりの円盤に加え,GJ 433 と GJ 649 の周りの 2 つの新しい円盤を発見した.従って,今回のサンプルでの円盤検出率は 14% であり,98% の信頼度を有する比較参照データである DEBRIS M 型星での検出率である 1.2% よりも高い.

しかしさらなる解析では,比較対象サンプルでの円盤の検出感度は今回のサーベイでの分光光度がおよそ 2 倍ほど低く,惑星の存在と円盤の明るさの間の相関の有意性は 98% 以下に低下した.


新たに発見された円盤の具体的な構造の推定も行った,

GJ 433 まわりの円盤は,円盤半径が 1 - 30 au の範囲にあると考えられる.
GJ 649 まわりの円盤は, 6 - 30 au の範囲内であると考えられる.円盤構造はわずかであるが空間分解され,視線方向に対する円盤の傾きは,エッジオンの状態 (円盤の縁の方向を見ている状態) と整合的であるように思われる.

どちらのケースも,円盤は惑星が存在する領域 (それぞれ 0.06 au と 1.1 au) よりもずっと遠方に存在している.しかし視線速度法は遠方に存在する惑星に対しては検出感度がないため,~ 5 au 程度までの位置にある土星質量惑星や,それよりさらに遠方にあるより重い惑星がまだ発見されていないだけである可能性はある.
これらの M 型星系の構造は,太陽的な恒星と低質量の惑星を伴った円盤と類似している.

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