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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.05830
Osborn & Bayliss (2019)
Investigating the Planet-Metallicity Correlation for Hot Jupiters
(ホットジュピターの惑星・金属量相関の調査)

概要

ほぼ 15 年にわたる地上からの広視野サーベイ観測で発見された 217 個のホットジュピターの,一様で無バイアスなデータセットを用いて,巨大惑星と金属量の相関について調査した.ホットジュピターを持つ中心星の金属量を,散在星のものと比較した.ここでは Besan ̧con 銀河モデルを使用した.

その結果,ホットジュピターは金属が豊富な恒星の周りに高頻度で存在することが分かった.しかしホットジュピターの場合,視線速度サーベイで発見されている (ホットジュピターではない) 長周期の巨大ガス惑星の相関と比べると,整合的ではあるが若干弱い相関であることを発見し,(\(\beta=0.71^{+0.56}_{-0.34}\)) であることがわかった.

このことは,ホットジュピターに属する惑星は,おそらくは他の巨大ガス惑星と同様の過程で形成されるが,その後の移動の歴史のみが異なるということを示唆している.

惑星の存在頻度の金属量依存性

金属量との相関の発見

惑星を持たない散在星と比べると,周囲に惑星を持つ恒星の方が金属量が高いということは,系外惑星が数個発見された段階ですぐに指摘された (Gonzalez 1997,Santos et al. 2000, 2001).例えば Gonzalez (1997) はこの関連性を,わずか 4 つの巨大系外惑星しか検出されていない段階で指摘した.

この結果は後に,現在ではよく知られている巨大惑星と金属量の相関の研究へと発展した.つまり,恒星の金属量が高いほど,その恒星が巨大惑星を持つ確率は高くなるというものである (Santos et al. 2004など).

この相関は,最近のレビュー論文の中で再解析された (Adibekyan 2019).その中では,FGK 主系列星のうち視線速度法とトランジット法で惑星が発見されているものを,FGK 主系列星のうち HARPS GTO プログラムによって惑星を持たないことが分かっている恒星と比較している.なお双方の恒星のパラメータは同じ手法を用いて導出している.

その結果,惑星を持つ恒星と惑星を持たない恒星の間では,恒星の金属量の分布に非常に明瞭な違いがあることが示された.この違いは 2 サンプルのコルモゴロフ・スミルノフ検定 (KS 検定) で確認され,巨大惑星と恒星の金属量の間に相関が存在することが再確認された.

相関の原因

巨大惑星と金属量の相関の原因に関して,2 つの主要な理論が提案されている.

1 つめは,汚染や自己増幅 (Gonzalez (1997) で相関の背後にあるメカニズムとして示唆されたもの) であり,これは恒星の外層が周囲からの物質の落下によって汚染されたことが原因だとする理論である.
ここで恒星外層に落下した物質は,おそらくは巨大惑星の内側移動に起因するものだと考えられる.

2 番目は始原的な原因によるもので,恒星の金属量は,恒星が形成された分子雲の金属量を反映しているとするものである.この理論は,巨大惑星は金属量の大きい原始惑星系円盤で形成されやすいことを示唆している.

Santos et al. (2001) では,シンプルな恒星汚染モデルでは観測されている金属量の違いを説明する主要プロセスにはならず,また始原的な起源であるとする説はその他の証拠により支持されると結論付けている.この説は,惑星形成の主要な理論の一つであるコア降着惑星形成理論でも支持される (Ida & Lin 2004など).

コア降着を介した惑星形成過程 (Pollack et al. 1996など) はボトムアップ過程であり,巨大惑星は岩石/氷の核 (10-15 地球質量) から形成が始まり,惑星軌道からガスが取り除かれるか,あるいは円盤全体からガスが取り除かれるまで,暴走的過程でガスを降着する.もし初期の円盤が高い金属量である場合 (つまりより多くの固体粒子が存在する場合),ガスを効率的に降着することができる大きな金属核が,円盤からガスが失われる前に形成可能であると考えられる.

ホットジュピターの金属量相関について

巨大惑星の下位分類であるホットジュピターについての金属量との関係性の研究も行われている.

ホットジュピターは半径が大きく軌道周期が短いため,視線速度やトランジットサーベイでは比較的容易に発見できるにも関わらず,比較的希少な存在である.FGK 型星回りでの存在頻度はわずか 0.4% であると推定されている (Cumming et al. 2008,Howard et al. 2012,Zhou et al. 2019).

ホットジュピターに関する金属量依存性について研究は少ないが,いくつかの (そしてしばしば相反する) 傾向が観測されている.
Sozzetti (2004) は,太陽よりも金属量が少ない恒星において,5 日よりも短い周期の惑星が欠乏していることを示した.しかし観測データにバイアスがある可能性があり,さらに統計的な数が少ないことから,明確な結論には至っていない.

数年後にはホットジュピターの発見数が増えて新たな解析が行われた.Maldonado et al. (2012) は,低金属量の恒星では,高温の巨大惑星は低温の巨大惑星よりも存在頻度が低いことを見出した.

また Adibekyan et al. (2013) は,金属量が少ない恒星の周りでは,0.03-4 木星質量の惑星はホットジュピターのような短周期ではなく,長周期のものが多いことを示した.しかし Narang et al. (2018) は,最大で 50 地球質量までの惑星が存在する場合は,軌道周期が 10 日未満では軌道周期の増加に伴って中心星の平均の金属量は増加するが,50 地球質量以上の巨大惑星では短周期 (10 日以下) と長周期 (10 日以上) では平均の金属量に差異はなかったと報告している.

Adibekyan (2019) では,視線速度とトランジットでの惑星の別々のサンプルが,個々の惑星の軌道周期は大きく違う領域にあるにも関わらず,KS テストを用いて金属量の分布は識別できないことを示したのは特筆に値する.このサンプル中では,解析に用いたトランジット惑星の平均軌道周期は 11 日で,視線速度で発見された惑星は平均 1202 日である.
なお残念ながら,Adibekyan (2019) でのトランジットサンプルの平均は Narang et al. (2018) での短周期巨大惑星のしきい値である 10 日をわずかに上回っているため,この 2 つは直接比較できない.

結果

ここでは,広視野の,特定の天体をターゲットとしていないトランジットサーベイによって検出されたホットジュピターのサンプルを用いて解析を行った.

存在頻度の依存性について,
\[
f\left(\left[{\rm Fe/H}\right]\right) \propto 10^{\beta\left[{\rm Fe/H}\right]}
\]
で定義する.ここで,\(f\) は巨大惑星を持つ恒星の割合,[Fe/H] は金属量,\(\beta\) はベキの指数である.
今回の解析では,(\(\beta=0.71^{+0.56}_{-0.34}\)) という値を得た

議論

先行研究との比較

Valenti & Fischer (2005) では 1040 個の FGK 星の長期間の一様な視線速度サーベイから,\(\beta=2\) という値を見出した.解析しているのは軌道周期が 4 年未満の巨大惑星である.
Johnson et al. (2010) は AFGKM 星の 1194 個の星と,より広い質量範囲の恒星を解析した.その結果,\(\beta=1.2\pm0.2\),わずかに大きいが今回の結果と整合する値を得ている.

Schlaufman (2014) は 620 個の FGK 星の解析を行った.うち 44 個は少なくとも 1 つの巨大惑星を持つ系であり,HARPS GTO プログラムでの観測結果である.その結果,\(\beta=2.3\pm0.4\) という結果を得ている.興味深いことに,この結果は Valenti & Fischer (2005) の結果とはよく一致しているが,Johnson et al. (2010) や今回の結果とは一致しない.

これらの結果は,惑星は全て視線速度サーベイによって発見されたものだが,トランジットサーベイで発見された惑星についての研究も行われている.特にケプラーでのサーベイ由来のものがある.

Guo et al. (2017) と Petigura et al. (2018) は,どちらもケプラーのデータ中の 14 個のホットジュピターから \(\beta\) を評価した.
Guo et al. (2017) は \(\beta=2.1\pm0.7\) としたが,Petigura et al. (2018) は \(\beta=3.4^{+0.9}_{-0.8}\) と,過去の研究より高い値を報告している.
なお,ケプラーでのホットジュピターの発見数が少ないこと,またケプラーサーベイでの観測対象選定の複雑さを考慮すると,ケプラーのデータを元にしたこれらの結果はいくらかの注意を持って扱う必要がある (今回の研究でのサンプルは,ターゲットを定めないサーベイによるもの).

形成過程への示唆

今回の結果は,過去の研究と同様に巨大惑星と中心星の金属量の相関の存在を確認するものである.しかし,他の長周期の巨大惑星よりもホットジュピターでの金属量依存性はわずかに弱いことを示唆する.この結果は,ホットジュピターは明確に独立した集団ではなく,より長周期の巨大惑星と同じ集団から引き出されたものであることを示す強力な証拠である.

ホットジュピターも低温な巨大惑星も同じ過程で形成され,その後の移動の過程が異なったものだと考えられる.今回導かれた相関は,ホットジュピターのその場形成モデルとは対立する示唆を与える.

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.05150
Pepper et al. (2019)
TESS Reveals HD 118203 b to be a Transiting Planet
(TESS が HD 118203b はトランジット惑星であることを明らかにする)

概要

明るい (V = 8.05) 主星 HD 118203 を公転する系外惑星 HD 118203b は視線速度法を用いて発見されたが (de Silva et al. 2006),この惑星が中心星をトランジットすることは知られていなかった.TESS の測光観測で,この惑星が中心星をトランジットすることが明らかになった

TESS では計 5 回のトランジットが観測された.これにより惑星の半径が 1.133 木星半径と測定され,惑星質量は 2.173 木星質量と計算された.

中心星はわずかに進化した恒星で,有効温度は 5692 K である.
惑星は軌道周期が 6.134980 日,軌道離心率は 0.316 であり,円軌道化されたホットジュピターと,より長周期の力学的に活発な惑星の間の遷移領域に位置する惑星である.

中心星は,トランジットする巨大惑星があることが分かっている中では最も明るい 10 個の恒星に入る.そのため,今後の惑星大気と星震学研究の両方において良い観測対象である.

パラメータ

HD 118203
質量:1.257 太陽質量
半径:2.103 太陽半径
光度:4.18 太陽光度
有効温度:5692 K
金属量:[Fe/H] = 0.223
年齢:52.3 億歳
HD 118203b
軌道周期:6.134980 日
半径:1.133 木星半径
質量:2.173 木星質量
軌道離心率:0.316
軌道長半径:0.07082 AU
平衡温度:1496 K
密度:1.85 g cm-3

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.05574
Jordán et al. (2019)
TOI-677 b: A Warm Jupiter (P=11.2d) on an eccentric orbit transiting a late F-type star
(TOI-677b:晩期 F 型星をトランジットする離心軌道にあるウォームジュピター (11.1 日周期))

概要

新しい系外惑星 TOI-677b の発見について報告する.

この惑星は,初めは Transiting Exoplanet Survey Satellite (TESS) の Sector 9, 10 の間に得られた光度曲線中に惑星候補として同定されたものであり,その後視線速度測定によって惑星であることが確認された.

質量は 1.236 木星質量,半径は 1.170 木星半径で,等級 V = 9.8 の明るい恒星を 11.23660 日周期で公転している.また離心率は 0.435 と離心軌道を公転している.

視線速度中に,長期間の 2 番目のシグナルの証拠を発見した.これはさらに外側を公転する別の天体によるものである可能性がある.

パラメータ

TOI-677
有効温度:6295 K
金属量:[Fe/H] = 0.00
質量:1.181 太陽質量
半径:1.28 太陽半径
年齢:29.2 億歳
スペクトル型:F 型
TOI-677b
軌道周期:11.23660 日
半径:1.170 木星半径
質量:1.236 木星質量
軌道長半径:0.1038 AU
平衡温度:1252 K

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arXiv:1911.04524
Higuchi & Kokubo (2019)
Hyperbolic Orbits in the Solar System: Interstellar Origin or Perturbed Oort Cloud Comets?
(太陽系内での双曲線軌道:恒星間起源か摂動を受けたオールト雲彗星か?)

概要

内太陽系を通過する双曲線軌道にある天体の力学的特性を,2 つの異なる起源を想定して調査した.一つは星間空間 (太陽系外) 起源,もう一つは太陽系のオールト雲起源である.

双方の起源候補に対して,軌道離心率 e と近日点距離 q の確率分布を解析的に導出し,これらの量の関数として,単位時間あたりに生成される天体の個数を推定した.2 つの起源からの個数を比較し,任意の離心率と近日点距離を持つ双曲線天体のもっともらしい起源を評価した.

その結果,ある双曲線天体が星間空間起源である可能性は,離心率と近日点距離の減少に伴って増加することを見出した.逆に,双曲線天体が通過する恒星によってオールト雲から散乱されたものである可能性は,天体の離心率が減少し,近日点距離が増加するにつれて増加する

軌道要素を注意深く考慮した結果,恒星間天体オウムアムア (1I/2017 U1 ’Oumuamua) (e ≃ 1.2,q ≃ 0.26 au) とボリソフ彗星 (2I/2019 Q4 Borisov) (e ≃ 3.3,q ≃ 2 au) はどちらも星間起源である可能性が高く,オールト雲からの散乱ではないと考えられる.

しかしこれらの 2 つの天体は,亜恒星質量,あるいは木星未満の質量の擾乱天体によっても,オールト雲から観測された双曲線軌道へと散乱可能であることも見出した.このことは,自由浮遊褐色矮星と惑星の集団の質量下端のより良い特徴付けを行う必要性があることを強調する結果である.

背景

1I/2017 U1 ’Oumuamua (オウムアムア) は太陽系内で大きな離心率 (e ≃ 1.2) を持つことが確認された初めての天体で,無限遠での実効速度は 26 km s-1 である (Williams 2017など).オウムアムアは惑星との遭遇を起こしていないため,この速度は惑星による摂動では説明できない (Meech et al. 2017).

この天体については,形状や熱特性,色や彗星活動の欠乏,タンブリング状態の自転,非重力的加速などが報告されており,これらは Bannister et al. (2019) にまとめられている.これらの特性はその他の小さい太陽系天体には見られないものである.しかしこれらの物理的な特徴のみでは,この天体がオールト雲から外れた太陽系内の天体である可能性を否定するには不十分である.

2 番目の双曲線天体は C/2019 Q4 (2I/Borisov) (ボリソフ彗星) である.この天体の離心率は 3.3 と非常に大きく,彗星の特徴を示し,スペクトルは D 型小惑星に類似している.

大部分の長周期彗星は e < 1 であるが,いくつかは e ≳ 1 の離心率を持つことが知られている.
Kr ́olikowska & Dybczyn ́ski (2017) は,長周期彗星の軌道を惑星の摂動と非重力的な力を注意深く考慮して計算した.その結果,大部分の場合において長周期彗星の最後の近日点通過前の軌道は楕円軌道 (太陽の重力に束縛された軌道) に従うことを見出した.

これらの e > 1 の長周期彗星は星間空間から来た可能性はあるが,位置天文測定の不定性によって離心率が 1 を超えているだけである可能性が高い.この場合,これらの双曲線軌道の彗星は,力学的には他の長周期彗星とは同じであるが,オウムアムアとボリソフ彗星とは異なる.

結論

(1) 小さい e と小さい q を持つ双曲線天体は,太陽系外に起源を持つ天体である可能性が高い.反対に,小さい e だが大きな q を持つ双曲線天体は,オールト雲から太陽系の内側へ散乱された天体である可能性が高くなる.

(2) オウムアムアとボリソフ彗星は,どちらも星間起源であるとすると最も整合的である.散乱されたオールト雲が起源である可能性は否定できないが,その可能性は近い過去に非常に近い恒星遭遇がない場合に発生する確率は非常に低く,またそのような遭遇が起きた証拠はない.

(3) 恒星より軽い天体 (~0.2 木星質量まで) の太陽近傍の通過によって,オールト雲の天体を散乱させてオウムアムアやボリソフ彗星のような双曲線軌道へと変えることは可能である.

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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.04745
Otegi et al. (2019)
Revisited Mass-Radius relations for exoplanets below 120 Earth masses
(120 地球質量を下回る系外惑星の改定された質量・半径関係)

概要

系外惑星の質量と半径は,それらの特徴付けのために必要な基本的な物理量である.系外惑星の異なるポピュレーションを研究することは,異なる惑星のタイプの統計を理解する上で重要であり,またこのような研究は惑星形成と進化に関連付けることができる.

信頼性のある,堅牢で出来る限り正確な質量と半径の測定が行われている 120 地球質量までのトランジット惑星のデータに基づいて,系外惑星のカタログを更新した.その結果として得られた質量-半径図は,これらの惑星が 2 つの異なるポピュレーションに分類できることを示す.この 2 つはそれぞれ岩石惑星と揮発性物質が豊富な惑星に対応しており,これらは質量と半径の両方で分布がオーバーラップしている.

岩石系外惑星の集団は比較的平均密度のばらつきが小さく,質量は最大で ~25 地球質量までである.これは,形成可能なコア質量の最大値がこの程度であることを示唆している.

2 つの集団を分割するため,純粋な水の組成線を用いて 2 つの新しい経験的な質量・半径関係をデータに基づいて示唆した.
その結果,岩石惑星の集団に対しては \(M=\left(0.9\pm0.06\right)R^{\right(3.45\pm0.12\left)}\),揮発性物質が豊富な惑星に対しては \(M=\left(1.74\pm0.38\right)R^{\right(1.58\pm0.10\left)}\) という関係を見出した.

今回の 2 つの集団に関する結果は過去の研究と一致している一方,新しい質量・半径関係は,岩石惑星から揮発性物質豊富な惑星への遷移領域 (質量 5-25 地球質量,半径 2-3 地球半径) でポピュレーションによりよく一致する.

解析の詳細

統計的な分析に用いた系外惑星データの抽出基準は以下の通りである.

a) NASA Exoplanet Archive の 2019 年 7 月時点で登録されている系外惑星のうち,質量が 120 地球質量までのもの.また物理量の測定の不定性が,質量は 25%,半径は 8% よりも小さいものを抽出.これらのしきい値は不定性の中間値に対応しており,また密度の不定性にも同じ影響がある.

b) TRAPPIST-1 を公転している系外惑星の質量測定結果を追加 (Grimm et al. 2018).これはケプラーの K2 ミッションでのトランジット光度曲線からトランジット時刻変動で質量を測定したもの.

c) Stassun et al. (2017) で示唆された質量決定は採用しない.これは Gaia による測光観測から導出された値で中心星の質量と半径が置き換えられたものであるが,不定性が明確に過大評価されている.これらの改定された値は,惑星質量の推定に影響をもたらす (これにより,11 個が除外).

d) いくつかのケースでは,Marcy et al. (2014) によって単一のトランジット惑星の質量が弱い水準の有効化・確認のみで推定値が与えられている.いくつかの質量推定は,不定性が過小評価された非常に僅かな視線速度のデータ点に基づいている.そのため,これを用いたデータは使用しない (17 個が除外).

e) Xie (2014) で報告されたトランジット時刻変動の測定は,他のグループ (Hadden & Lithwick 2014, 2017) で報告された質量推定と大きく異なる.さらにその中には,30 地球質量を超えるいくつかの惑星で,推定密度が純粋な鉄よりも高くなっている (例えばケプラー128b と c で,これらは Hadden & Lithwick (2017) では 1 地球質量未満と推定されている).そのため,この研究で質量が推定されているものは除外.

f) Hadden & Lithwick (2017) は 150 個のケプラー系外惑星についてトランジット時刻変動で質量を推定しているが,これは NASA Exoplanet Archive では採用されていない.さらに,この研究ではトランジット時刻変動を用いた質量推定において,測定値の正確さのしきい値を導入している,それによると,150 個の質量測定のうち 50 個のみが信頼性があるとしている.ここではそのしきい値に依拠し,信頼性の低い質量測定結果を除外.

g) いくつかの惑星の質量測定を,より最近の論文での結果にアップデートした.また NASA Exoplanet Archive に含まれていないいくつかの系外惑星を追加した.

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