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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1810.10018
Abod et al. (2018)
The Mass and Size Distribution of Planetesimals Formed by the Streaming Instability. II. The Effect of the Radial Gas Pressure Gradient
(ストリーミング不安定で形成された微惑星の質量とサイズ分布 II.動径方向のガス圧力勾配の効果)

概要

ストリーミング不安定 (streaming instability) は,原始惑星系円盤内で固体粒子を集め,重力崩壊と微惑星形成を引き起こす可能性があるメカニズムである.この不安定性を駆動するエネルギー源は,円盤内の動径方向の圧力勾配である.

この不安定性は,ダスト粒子のクランプを生成し,不安定性の線形領域での臨界長さスケールを決定するという重要な役割があるにも関わらず,形成される微惑星の特性に対する圧力勾配の影響はこれまでによく調べられていない.ここでは,ダスト粒子の自己重力を含めた高分解能のストリーミング不安定の数値シミュレーションを用いて,微惑星の初期質量関数がどのように動径方向の圧力勾配に依存するかを研究した.


得られた結果を \(dN/dM_{\rm p}\propto M_{\rm p}^{-p}\) のべき乗則でフィットすると,圧力勾配の値をファクターで 2 以上変化させたシミュレーションで,\(p\approx 1.6\) の単一の指数でよく表されることが分かった.

質量が大きい側で指数関数的に切り取られたべき乗則によって,得られた累積質量関数をよく再現することが出来た.この関数にフィッティングすることで,単一の低質量側のスロープとして \(p’\simeq 1.3\) を得た.典型的な切り取り質量は,\(M_{G}=4\pi^{5}G^{2}\Sigma_{\rm p}^{3}/\Omega^{4}\) のオーダーになる.


なお,圧力勾配がゼロに初期化されたシミュレーション (これはストリーミング不安定が発生しない場合のシミュレーション) でも top-heavy な質量分布関数を得るが,ストリーミング不安定が発生した場合との分布の形状は大きく異なる.

理論的に予測される質量関数と,カイパーベルトにおける小天体の集合の観測結果との整合性について議論し,惑星形成の初期段階のモデルへの影響について述べる.

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