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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1901.09092
Quinn et al. (2019)
Near-resonance in a system of sub-Neptunes from TESS
(TESS による軌道共鳴に近いサプネプチューン系)
惑星が発見されたのは,V = 10.9 の K0 矮星 TOI 125 である.それぞれ信頼度の異なる,最大で 5 個の惑星の証拠が発見された.
シグナルノイズ比が大きい 3 つのトランジットシグナルは,それぞれサブネプチューンサイズの惑星に対応しており,2.76, 2.79, 2.94 地球半径である,これらのうち,内側の 2 つのトランジットシグナルについては,惑星由来のシグナルであることを統計的に実証した,軌道周期はそれぞれ 4.65 日,9.15 日である.
2 回のトランジットのみしか検出されていない外側の天体の周期は 19.98 日で,高シグナルノイズ比の惑星候補天体として報告する.また,軌道周期がわずか 12.7 時間のトランジットスーパーアース候補天体 (1.4 地球半径) と,軌道周期 13.28 日の海王星サイズ惑星候補天体 (4.2 地球半径) を低いシグナルノイズ比で検出した.
この系は,視線速度とトランジット時刻変動.(transit timing variation, TTV) を介しての質量決定を行う対象として適している.また年齢と環境を制約しながら同じサイズの惑星を研究する機会を提供する.
TOI 125b と c の軌道周期の比は 1.97 であり,これは 2:1 の尽数関係よりはわずかに小さい.ケプラーで見られているよう共鳴に近い複数惑星系では周期比が 1 次の周期比よりもわずかに大きいものが多いという特徴があり,TOI 125 系は非典型的な複数惑星系である.
力学的な解析を行い,軌道安定性の議論からこの惑星系の軌道パラメータが取りうる範囲を検証した.その結果,この 2 つの惑星は整数比に近い周期を持つにも関わらず,共鳴には入っていない可能性が高いことが示唆された.
中心星の TIC 52368076 (TOI 125) は,TESS の最初の 2 セクターの Sector 1 と 2 で観測された.トランジット状のシグナルが検出された後,地上望遠鏡でのフォローアップ観測も実施された.
質量:0.871 太陽質量
半径:0.852 太陽半径
光度:0.509 太陽光度
有効温度:5282 K
金属量:[Fe/H] = 0.069
年齢:66 億歳
距離:111.4 pc
軌道周期:0.528474 日
半径:1.36 地球半径
軌道長半径:0.01222 AU
質量:2.65 地球質量 (予測値)
半径:2.755 地球半径
軌道長半径:0.05210 AU
軌道離心率:0.183
質量:8.5 地球質量 (予測値)
半径:2.79 地球半径
軌道長半径:0.0818 AU
軌道離心率:0.065
質量:8.6 地球質量 (予測値)
軌道周期:13.2781 日
半径:8.8 地球半径
軌道長半径:0.1048 AU
軌道離心率:0.037
質量:61 地球質量 (予測値)
軌道周期:19.9807 日
半径:2.94 地球半径
軌道長半径:0.1376 AU
軌道離心率:0.075
質量:9.5 地球質量 (予測値)
arXiv:1901.09092
Quinn et al. (2019)
Near-resonance in a system of sub-Neptunes from TESS
(TESS による軌道共鳴に近いサプネプチューン系)
概要
Transiting Exoplanet Survey Satellite (TESS) の観測結果からの複数惑星系の検出を報告する.惑星が発見されたのは,V = 10.9 の K0 矮星 TOI 125 である.それぞれ信頼度の異なる,最大で 5 個の惑星の証拠が発見された.
シグナルノイズ比が大きい 3 つのトランジットシグナルは,それぞれサブネプチューンサイズの惑星に対応しており,2.76, 2.79, 2.94 地球半径である,これらのうち,内側の 2 つのトランジットシグナルについては,惑星由来のシグナルであることを統計的に実証した,軌道周期はそれぞれ 4.65 日,9.15 日である.
2 回のトランジットのみしか検出されていない外側の天体の周期は 19.98 日で,高シグナルノイズ比の惑星候補天体として報告する.また,軌道周期がわずか 12.7 時間のトランジットスーパーアース候補天体 (1.4 地球半径) と,軌道周期 13.28 日の海王星サイズ惑星候補天体 (4.2 地球半径) を低いシグナルノイズ比で検出した.
この系は,視線速度とトランジット時刻変動.(transit timing variation, TTV) を介しての質量決定を行う対象として適している.また年齢と環境を制約しながら同じサイズの惑星を研究する機会を提供する.
TOI 125b と c の軌道周期の比は 1.97 であり,これは 2:1 の尽数関係よりはわずかに小さい.ケプラーで見られているよう共鳴に近い複数惑星系では周期比が 1 次の周期比よりもわずかに大きいものが多いという特徴があり,TOI 125 系は非典型的な複数惑星系である.
力学的な解析を行い,軌道安定性の議論からこの惑星系の軌道パラメータが取りうる範囲を検証した.その結果,この 2 つの惑星は整数比に近い周期を持つにも関わらず,共鳴には入っていない可能性が高いことが示唆された.
中心星の TIC 52368076 (TOI 125) は,TESS の最初の 2 セクターの Sector 1 と 2 で観測された.トランジット状のシグナルが検出された後,地上望遠鏡でのフォローアップ観測も実施された.
パラメータ
TOI 125
別名:TIC 52368076質量:0.871 太陽質量
半径:0.852 太陽半径
光度:0.509 太陽光度
有効温度:5282 K
金属量:[Fe/H] = 0.069
年齢:66 億歳
距離:111.4 pc
TOI 125.04
(※シグナルノイズ比が低く,惑星とは未確認の惑星候補天体)軌道周期:0.528474 日
半径:1.36 地球半径
軌道長半径:0.01222 AU
質量:2.65 地球質量 (予測値)
TOI 125b
軌道周期:4.65382 日半径:2.755 地球半径
軌道長半径:0.05210 AU
軌道離心率:0.183
質量:8.5 地球質量 (予測値)
TOI 125c
軌道周期:9.15067 日半径:2.79 地球半径
軌道長半径:0.0818 AU
軌道離心率:0.065
質量:8.6 地球質量 (予測値)
TOI 125.05
(※暫定的な惑星検出)軌道周期:13.2781 日
半径:8.8 地球半径
軌道長半径:0.1048 AU
軌道離心率:0.037
質量:61 地球質量 (予測値)
TOI 125.03
(※シグナルノイズ比は高いが惑星とは未確認の惑星候補天体)軌道周期:19.9807 日
半径:2.94 地球半径
軌道長半径:0.1376 AU
軌道離心率:0.075
質量:9.5 地球質量 (予測値)
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