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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1904.01573
Rickman et al. (2019)
The CORALIE survey for southern extrasolar planets XVIII. Three new massive planets and two low mass brown dwarfs at separation larger than 5 AU
(CORALIE による南天の系外惑星探査 XVIII.5 AU よりも大きな間隔にある 3 つの新しい重い惑星と 2 つの低質量褐色矮星)
ここでは,HD 181234,HD 13724,HD 25015,HD 92987,HD 50499 を公転する新しい伴星天体の発見を報告する.また,過去に発見されていた HD 50499b,HD 92788b と HD 98649b の軌道パラメータの更新についても報告する.さらに,最近検出が報告された HD 92788c の確認も行った.
新しく報告された伴星天体は,軌道周期が 15.6 - 40.4 年,質量は 2.93 - 26.77 木星質量の範囲にある.重い天体は,惑星と褐色矮星の名目上の境界付近の質量を持つ.
ここでは,5 つの新しい伴星天体の検出と,4 つの既知の系外惑星のパラメータの更新を報告する.これらのうち少なくともいくつかは,直接撮像と将来的な特徴付けの確実な観測ターゲットであることを同定した.
スペクトル型:G5
等級:V = 8.59
光度:0.80 太陽光度
有効温度:5386 K
金属量:[Fe/H] = 0.32
自転周期:50.8 日
質量:1.01 太陽質量
半径:1.05 太陽半径
年齢:63.2 億歳
軌道離心率:0.73
質量:8.37 木星質量
軌道長半径:7.52 AU
HD 181234 は 2000 年 5 月以降観測されてきた天体である.また Butler et al. (2017) では Keck/HIRES で 1999 年 6 月 - 2014 年 8 月まで 20 セットの視線速度測定が行われている..
軌道離心率 0.73 と,大きな軌道離心率を持った系である.
スペクトル型:K1V
等級:V = 8.87
光度:0.41 太陽光度
有効温度:5160 K
金属量:[Fe/H] = 0.04
自転周期:13.6 日
質量:0.86 太陽質量
半径:0.83 太陽半径
年齢:40.0 億歳
軌道離心率:0.39
質量:4.48 木星質量
軌道長半径:6.19 AU
HD 25015 は 2001 年 5 月以降観測されてきた天体である.
今回の観測対象の中で,他の恒星は非常に静穏だが,この恒星だけは例外である.370.26 日程度の周期性が Hα 線に見られる.しかしスペクトル線の半値全幅などには周期性は見られなかった,そのため,地球大気のスペクトル線が混入している可能性は否定できない.
スペクトル型:G1V
等級:V = 7.21
光度:2.38 太陽光度
有効温度:6099 K
金属量:[Fe/H] = 0.38
自転周期:22.4 日
質量:1.31 太陽質量
半径:1.42 太陽半径
年齢:24.0 億歳
距離:46.34 pc
軌道離心率:0.27
質量:1.45 木星質量
軌道長半径:3.93 AU
軌道離心率:0.00
質量:2.93 木星質量
軌道長半径:9.02 AU
HD 50499b は Vogt et al. (2005) で発見されていたが,HD 50499c は今回新規発見された惑星である.外側にさらなる天体が存在することを示唆するシグナルは Vogt et al. (2005) で既に指摘されていた.その他にもシグナルの存在を指摘する報告は存在した.
今回の観測データでは,HD 50499b のパラメータは過去の報告と整合的であった.外側の惑星の全軌道周期をカバーできていないため,HD 50499c の軌道要素は不定性が大きい.
スペクトル型:G6V
等級:V = 7.31
光度:1.25 太陽光度
有効温度:5744 K
金属量:[Fe/H] = 0.27
自転周期:31.0 日
質量:1.15 太陽質量
半径:1.14 太陽半径
年齢:25.5 億歳
距離:28.83 pc
軌道離心率:0.35
質量:3.76 木星質量
軌道長半径:0.97 AU
軌道離心率:0.46
質量:3.67 木星質量
軌道長半径:10.50 AU
HD 92788 は 1999 年 3 月以降観測されてきた天体である.
HD 92788b は Fischer et al. (2001) で発見が報告されていた惑星である.HD 92788c は Wittenmyer et al. (2019) で検出報告があり,この観測で存在が確認された.
HD 92788b のパラメータは過去の報告と一致した.また HD 92788c も過去の報告と一致した.
スペクトル型:G3/G5V
等級:V = 8.00
光度:0.98 太陽光度
有効温度:5790 K
金属量:[Fe/H] = 0.05
自転周期:27.7 日
質量:1.03 太陽質量
半径:1.01 太陽半径
年齢:24.2 億歳
距離:42.19 pc
軌道離心率:0.86
質量:6.79 木星質量
軌道長半径:6.57 AU
HD 98649b は Marmier et al. (2013) で発見が報告されていた惑星である.非常に軌道離心率の大きい惑星であり,今回のパラメータは過去のものとよく一致した.
等級:V = 7.89
光度:1.14 太陽光度
有効温度:5868 K
金属量:[Fe/H] = 0.23
自転周期:20.2 日
質量:1.14 太陽質量
半径:1.07 太陽半径
年齢:7.6 億歳
軌道離心率:0.34
最小質量:26.77 木星質量
軌道長半径:12.40 AU
HD 13724 は 1999 年 8 月以降観測されてきた天体である.
年齢は 7.6 億歳と比較的若い.発見された伴星は褐色矮星候補であり,最小質量が 26.77 木星質量である.遠方軌道であり,直接撮像での観測候補である.
スペクトル型:G2/G3V
等級:V = 7.03
光度:2.55 太陽光度
有効温度:5770 K
金属量:[Fe/H] = -0.08
自転周期:26.2 日
質量:1.08 太陽質量
半径:1.58 太陽半径
年齢:77.5 億歳
軌道離心率:0.21
最小質量:16.88 木星質量
軌道長半径:9.62 AU
HD 92987 は 1999 年 1 月以降観測されてきた天体である.
発見された伴星は褐色矮星候補であり,最小質量が 16.88 木星質量である.遠方軌道であり,直接撮像での観測候補である.
arXiv:1904.01573
Rickman et al. (2019)
The CORALIE survey for southern extrasolar planets XVIII. Three new massive planets and two low mass brown dwarfs at separation larger than 5 AU
(CORALIE による南天の系外惑星探査 XVIII.5 AU よりも大きな間隔にある 3 つの新しい重い惑星と 2 つの低質量褐色矮星)
概要
1998 年から,La Silla Observatory の CORALIE 分光器を用いて南半球の 50 pc 以内の主系列星周りの惑星探査が行われてきた.観測期間が 20 年を超え,CORALIE サーベイは直接撮像の理想的な対象として選択するのに十分な質量と軌道間隔を持った長周期の惑星をデータ中に検出できるようになった.これらの巨大惑星候補の検出は,視線速度で検出された系外惑星と,直接撮像された惑星・褐色矮星の間のギャップの橋渡しを始めることを可能としている.CORALIE 分光器での長周期の精密なドップラー測定では,長周期軌道の重い惑星天体と褐色矮星の視線速度の特徴が明らかにされつつある.ここでは,HD 181234,HD 13724,HD 25015,HD 92987,HD 50499 を公転する新しい伴星天体の発見を報告する.また,過去に発見されていた HD 50499b,HD 92788b と HD 98649b の軌道パラメータの更新についても報告する.さらに,最近検出が報告された HD 92788c の確認も行った.
新しく報告された伴星天体は,軌道周期が 15.6 - 40.4 年,質量は 2.93 - 26.77 木星質量の範囲にある.重い天体は,惑星と褐色矮星の名目上の境界付近の質量を持つ.
ここでは,5 つの新しい伴星天体の検出と,4 つの既知の系外惑星のパラメータの更新を報告する.これらのうち少なくともいくつかは,直接撮像と将来的な特徴付けの確実な観測ターゲットであることを同定した.
パラメータ
HD 181234 系
HD 181234
別名:LTT 5654,HIP 95015スペクトル型:G5
等級:V = 8.59
光度:0.80 太陽光度
有効温度:5386 K
金属量:[Fe/H] = 0.32
自転周期:50.8 日
質量:1.01 太陽質量
半径:1.05 太陽半径
年齢:63.2 億歳
HD 181234b
軌道周期:20.43 年軌道離心率:0.73
質量:8.37 木星質量
軌道長半径:7.52 AU
HD 181234 系について
HD 181234b は今回新規発見された惑星である.HD 181234 は 2000 年 5 月以降観測されてきた天体である.また Butler et al. (2017) では Keck/HIRES で 1999 年 6 月 - 2014 年 8 月まで 20 セットの視線速度測定が行われている..
軌道離心率 0.73 と,大きな軌道離心率を持った系である.
HD 25015 系
HD 25015
別名:HIP 18527スペクトル型:K1V
等級:V = 8.87
光度:0.41 太陽光度
有効温度:5160 K
金属量:[Fe/H] = 0.04
自転周期:13.6 日
質量:0.86 太陽質量
半径:0.83 太陽半径
年齢:40.0 億歳
HD 25015b
軌道周期:16.48 年軌道離心率:0.39
質量:4.48 木星質量
軌道長半径:6.19 AU
HD 25015 系について
HD 25015b は今回新規発見された惑星である.HD 25015 は 2001 年 5 月以降観測されてきた天体である.
今回の観測対象の中で,他の恒星は非常に静穏だが,この恒星だけは例外である.370.26 日程度の周期性が Hα 線に見られる.しかしスペクトル線の半値全幅などには周期性は見られなかった,そのため,地球大気のスペクトル線が混入している可能性は否定できない.
HD 50499 系
HD 50499
別名:HIP 32970スペクトル型:G1V
等級:V = 7.21
光度:2.38 太陽光度
有効温度:6099 K
金属量:[Fe/H] = 0.38
自転周期:22.4 日
質量:1.31 太陽質量
半径:1.42 太陽半径
年齢:24.0 億歳
距離:46.34 pc
HD 50499b
軌道周期:6.80 年軌道離心率:0.27
質量:1.45 木星質量
軌道長半径:3.93 AU
HD 50499c
軌道周期:23.6 年軌道離心率:0.00
質量:2.93 木星質量
軌道長半径:9.02 AU
HD 50499 系について
HD 50499 は 1999 年 1 月以降観測されてきた天体である.HD 50499b は Vogt et al. (2005) で発見されていたが,HD 50499c は今回新規発見された惑星である.外側にさらなる天体が存在することを示唆するシグナルは Vogt et al. (2005) で既に指摘されていた.その他にもシグナルの存在を指摘する報告は存在した.
今回の観測データでは,HD 50499b のパラメータは過去の報告と整合的であった.外側の惑星の全軌道周期をカバーできていないため,HD 50499c の軌道要素は不定性が大きい.
HD 92788 系
HD 92788
別名:HIP 52409スペクトル型:G6V
等級:V = 7.31
光度:1.25 太陽光度
有効温度:5744 K
金属量:[Fe/H] = 0.27
自転周期:31.0 日
質量:1.15 太陽質量
半径:1.14 太陽半径
年齢:25.5 億歳
距離:28.83 pc
HD 92788b
軌道周期:0.892 年軌道離心率:0.35
質量:3.76 木星質量
軌道長半径:0.97 AU
HD 92788c
軌道周期:31.79 年軌道離心率:0.46
質量:3.67 木星質量
軌道長半径:10.50 AU
HD 92788 系について
HD 92788c は今回新規に確認された惑星である.HD 92788 は 1999 年 3 月以降観測されてきた天体である.
HD 92788b は Fischer et al. (2001) で発見が報告されていた惑星である.HD 92788c は Wittenmyer et al. (2019) で検出報告があり,この観測で存在が確認された.
HD 92788b のパラメータは過去の報告と一致した.また HD 92788c も過去の報告と一致した.
HD 98649 系
HD 98649
別名:LTT 4199, HIP 55409スペクトル型:G3/G5V
等級:V = 8.00
光度:0.98 太陽光度
有効温度:5790 K
金属量:[Fe/H] = 0.05
自転周期:27.7 日
質量:1.03 太陽質量
半径:1.01 太陽半径
年齢:24.2 億歳
距離:42.19 pc
HD 98649b
軌道周期:16.49 年軌道離心率:0.86
質量:6.79 木星質量
軌道長半径:6.57 AU
HD 98649 系について
HD 98649 は 2003 年 2 月以降観測されてきた天体である.HD 98649b は Marmier et al. (2013) で発見が報告されていた惑星である.非常に軌道離心率の大きい惑星であり,今回のパラメータは過去のものとよく一致した.
HD 13724 系
HD 13724
別名:HIP 10278スペクトル型:G3/G5V等級:V = 7.89
光度:1.14 太陽光度
有効温度:5868 K
金属量:[Fe/H] = 0.23
自転周期:20.2 日
質量:1.14 太陽質量
半径:1.07 太陽半径
年齢:7.6 億歳
HD 13724b
軌道周期:40.42 年軌道離心率:0.34
最小質量:26.77 木星質量
軌道長半径:12.40 AU
HD 13724 系について
HD 13724b は今回新規発見された褐色矮星候補天体である.HD 13724 は 1999 年 8 月以降観測されてきた天体である.
年齢は 7.6 億歳と比較的若い.発見された伴星は褐色矮星候補であり,最小質量が 26.77 木星質量である.遠方軌道であり,直接撮像での観測候補である.
HD 92987 系
HD 92987
別名:HIP 52472スペクトル型:G2/G3V
等級:V = 7.03
光度:2.55 太陽光度
有効温度:5770 K
金属量:[Fe/H] = -0.08
自転周期:26.2 日
質量:1.08 太陽質量
半径:1.58 太陽半径
年齢:77.5 億歳
HD 92987b
軌道周期:28.35 年軌道離心率:0.21
最小質量:16.88 木星質量
軌道長半径:9.62 AU
HD 92987 系について
HD 92987b は今回新規発見された褐色矮星候補天体である.HD 92987 は 1999 年 1 月以降観測されてきた天体である.
発見された伴星は褐色矮星候補であり,最小質量が 16.88 木星質量である.遠方軌道であり,直接撮像での観測候補である.
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