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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1904.08073
Mah & Brasser (2019)
The origin of the cratering asymmetry on Triton
(トリトンにおけるクレーター形成の非対称性の起源)

概要

トリトンにおけるクレーター形成の非対称性を生成しうる衝突源については現在も議論が続いている.双曲線軌道にある彗星が衝突天体の起源だと考えられている一方で,彗星の衝突によるクレーター分布の理論的な予測は,観測されているトリトンのクレーター分布とは一致しない.

ここでは,衝突天体の 3 種類の起源によって生成されるクレーター分布の調査を行うため,力学的なアプローチを行った.

トリトンへの衝突天体の起源は,海王星を中心として順行軌道で低軌道傾斜角で公転する衝突天体,不規則衛星のように海王星を中心とする高軌道傾斜角の軌道を持った衝突天体,太陽中心の双曲線軌道にある衝突天体の 3 種類が考えられる.ここでは,衝突の力学を取り入れた N 体シミュレーションを実行した.

その結果,これらの 3 種類の起源のうち,いずれも単独ではトリトンのクレーター分布を再現することができないことが判明した

海王星中心の低軌道傾斜角の軌道にある衝突天体によってトリトンに形成されるクレーター分布は,トリトンの公転の先行半球に狭く集中する一方,太陽中心の軌道を持つ衝突天体は,観測されているのと比べると多すぎるクレーターを後行半球に生成することが分かった.

モンテカルロ法を用いて,現在のトリトンのクレーターの分布を再現できる衝突天体の混合集団を導出した.その結果,衝突天体が主に太陽中心軌道にあるもので形成されていた場合 (70%),結果として生成される衝突分布はトリトンの先行半球で観測されているクレーター分布をよく再現する

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