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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1510.03360
Thomas & Goracke (2015)
Ground-level ozone following astrophysical ionizing radiation events: an additional biological hazard?
(天体物理的なイオン化放射イベントに伴う地表面でのオゾン:さらなる生物学的危機)

概要

超新星、ガンマ線バースト、太陽プロトンイベントなどの現象は、地球大気を電離させるイオン化放射としてはたらく。これらのイオン化放射イベントは、まずは成層圏でのオゾンの減少(オゾン層の破壊)という効果をもたらす。それに引き続きく、地表面と海洋上層での紫外線量の増加に伴って地球の生命に有害な効果をもたらすと考えられている。

しかしこれらのイオン化放射イベントにおいて、大気低層部でオゾンが生成される効果の影響については触れられていない。オゾンは、地上・海中において、有機物に対して有害な効果を持つ。従って、成層圏にオゾン層破壊後に、地表面付近でのオゾンの生成によって生物に影響をもたらす可能性もある。

ここでは、過去に作られた大気化学のモデルを用い、ガンマ線バースト時の低層大気でのオゾン生成量を見積もった。その結果、生物圏に影響を及ぼすには不十分な量しか生成されないという結果となった。
これらの結果は、超新星などの別のイオン化放射イベントに対する見積もりへも拡張可能であると考えられる。






これも最近話題のアストロバイオロジーに関する論文です。投稿された雑誌もAstrobiologyです。

ガンマ線バーストや近傍での超新星などでは、成層圏でのオゾンが破壊される事によって地上に有害な紫外線が降り注ぐ可能性が指摘されています。また、過去にはガンマ線バーストが原因と考えられる大量絶滅もあった可能性が指摘されています。(はっきりと確定したわけではない)

成層圏にあるオゾン層のおかげて地上は太陽の紫外線から守られているわけですが、オゾン自体は多くの生物には有害な物質です。また、大気中のオゾン層はただ紫外線を吸収しているわけではなく、オゾンを生成・破壊する過程で紫外線が吸収されているため、地上まで高エネルギーの紫外線が到達すると地上付近でもこの反応が発生してオゾンが生成します。

ここでは、成層圏のオゾン層が何らかの原因 (今はガンマ線バースト)によって破壊されたあとに、地上に到達する紫外線によって生成されるオゾンが、生物に有害なレベルになるかどうかという見積もりを、大気の化学モデルを用いて行ったようです。
その結果、オゾンの影響自体は影響を及ぼさない、とのことです。

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