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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1910.01567
Mansfield et al. (2019)
Evidence for H2 Dissociation and Recombination Heat Transport in the Atmosphere of KELT-9b
(KELT-9b の大気中の H2 解離と再結合熱輸送の証拠)

概要

系外惑星の位相曲線の観測をもとに,惑星の昼側から夜側への熱の再分配の量を定量化することによって,系外惑星の全体のエネルギー総量を調べる事ができる.

ホットジュピターの位相曲線の特性を説明するための理論は,惑星大気中での熱の再分配をコントロールする主要なパラメータとして,輻射と力学のバランスに重きを置いてきた.しかし最近の位相曲線の観測では,この理論から外れる傾向が報告されている.

そのため,ホットジュピターのエネルギー収支に影響を与える,さらなるプロセスの研究が行われてきた.その一つが,大気中の水素分子の解離と再結合である.これは温度が 2000 K 程度を超えるウルトラホットジュピターでのエネルギー再分配を促進する.

ウルトラホットジュピターでの水素分子の解離の影響を調べるため,スピッツァー宇宙望遠鏡の 4.5 µm で観測された KELT-9b の位相曲線について調査した.この惑星はトランジットする惑星の中で最も高温なものであり,4.5 µm 波長での昼側の輝度温度は 4566 K,夜側の温度は 2556 K,位相曲線の振幅は 0.609,ホットスポットのずれは 18.7° であった.

今回観測された位相曲線の振幅は,輻射と移流の間のシンプルなバランスでは説明できないほど小さいものであった.
General circulation models (GCMs) とエネルギーバランスモデルにおいて,水素の解離・再結合の効果を含めたモデルは,より良く観測データと一致した.しかし GCMs の計算では,ホットスポットのずれの最大値は 5° と予測され,これは観測結果と 5σ 以上の乖離を示す.このずれはおそらく,高い電離度を持った大気中での磁場の影響によるものである可能性がある.

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