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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1910.12889
Kimmig et al. (2019)
Effect of wind-driven accretion on planetary migration
(惑星移動への風駆動降着の効果)

概要

惑星移動は,惑星形成モデルと観測されている系外惑星の統計を結び付ける.これまでは,惑星形成の理論は 1 個以上の惑星と,非粘性もしくは粘性を持つ進化するガス円盤との相互作用に注目してきた.

乱流粘性が円盤の永年進化における主要な降着の駆動源であると考えられており,これは中間質量から大質量の惑星の移動過程に影響を与えることが知られてきた.しかし最近では,風 (円盤からの質量放出,円盤風) によって駆動される降着が重要視されてきており,現在では原始惑星系円盤はこれまで考えられてきたよりも乱流が弱いことが指摘され,また風を駆動する 3 次元の非理想磁気流体力学モデリングが成熟してきている.

ここでは,風駆動の円盤降着が円盤内での惑星移動にどう影響を及ぼすかの調査を目的とした研究を行った.定量的な予測を行うよりも,主要な効果の定性的な調査を目的とする.

FARGO3D コードを用いて,惑星-円盤相互作用の 2 次元流体力学計算を行った.ここでは,円盤の鉛直座標と風の駆動場所は明示的には取り扱っていない.代わりに,円盤に対する風のトルクはシンプルな 2 パラメータ公式として取り扱っている.このパラメータは,風による質量損失率と lever arm (レバー) である.

シミュレーションの結果,風駆動の降着過程は,粘性降着過程とは異なる共軌道領域への物質補充方法を持っていることがわかった.
前者の過程では,質量は常に惑星の共軌道領域の外縁から注入され,内縁から質量を除去する.一方で後者は,共軌道領域から質量を注入するか除去するかは,円盤の動径方向の密度勾配に依存することが分かった.

その結果として,円盤内での惑星移動の振る舞いは非常に大きくなり,特定の状況では急速な type-III 的な外側移動 (III 型惑星移動) が起きうる.このような惑星の外側移動が起きうるパラメータを解析的に導出した.

結論として,もし風駆動の降着が原始惑星系円盤の永年進化に効くのであれば,惑星移動の研究はこの過程も含める必要がある.それは,この過程は惑星の移動率と移動する方向に強く影響を及ぼすためである.

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