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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1510.04606
Wright et al. (2015)
The Ĝ Search for Extraterrestrial Civilizations with Large Energy Supplies. IV. The Signatures and Information Content of Transiting Megastructures
(大きなエネルギー供給をする地球外文明の探査:トランジットする巨大構造物の特徴と情報量)
いくつかの特異な天体 (KIC 12557548、CoRoT-29)では、トランジットの深さに変動があることが分かっている。これらの特徴は、Arnold (2005)での予言や、Forgan (2013)での非対称形状の物体のトランジットによるモデルのどちらか、あるいは両方と整合的なものである。しかしこのような観測的特徴に対しては、自然現象由来の物理モデルが提示されており、地球外文明 (Extraterrestrial Intelligece, ETI)によるものとする仮説が正しいとは保証されない。しかしこれらの観測結果は、一般的ではない振る舞いをするトランジットの特徴が、地球外文明探査 (SETI)の文脈でどう解釈されるかの例として役立つ。
Boyajian et al. (2015)では、KIC 12557548の特異な光度曲線は、巨大物体の群れによるとするモデルと整合的であるとした。ここでは、この天体は良いSETIターゲットであると提案する。
このような巨大構造物を先進文明が建設する理由は不透明だが、大きく分けて2つの理由が考えられる。
1つ目は、エネルギーの獲得とその処理である (Dyson 1960)。
恒星は核融合を通じてエネルギーを生成し、それを放射している。この放射を利用するというものである。大きな恒星光の集光器は、非常に多くのエネルギーを得る、持続可能性のあるエネルギー取得源となる。またエネルギーの利用後は、排熱を行うためのラジエーターが必要となる。
2つ目は、強力で長寿命な、メンテナンスコストの低い"ビーコン"としての巨大物体という仮説である(Arnold 2005)。これはすなわち、「我々はここにいる」と対外的に示すためのものである。
Dyson (1960)では、巨大構造物建設を行う文明では、その巨大構造物が恒星に与える影響は検出可能であるとした。恒星周りの構造物が可視光を隠し、可視光領域での減光を引き起こす。また、利用した熱を赤外線で熱放射する(構造物の有効温度次第)。Dyson (1960)では前者の可視光での減光に着目しているが、後者の赤外放射も現在の天文観測技術では検出可能であると考えられる(Wright et al. 2014)。
Arnold (2005)では、巨大構造物のビーコンとしての可能性を以下の3つにまとめた。
(1) 三角形の巨大構造物は惑星によるトランジットと比べて特異な ingress (トランジットへの入り)と egrenn (トランジットからの脱出)を示し、構造物が木星サイズであった場合は両者をケプラー宇宙望遠鏡で識別可能である。
(2) 同じ軌道周期の物体の集団をつくり、その間隔とトランジットの深さを人工的なものにする。
(3) ルーバー付きのスクリーンなどで複雑な光度曲線を実現する。
また、惑星をハロー上に取り囲む物体の隊列なども考えられる(Korpela et al. 2015)。もしこれらが光学的に厚く、惑星周回軌道の高度が十分であれば、惑星がトランジットするときに灰色の (波長依存性のない)大気として検出可能であると考えられる。Korpela et al. (2015)によると、ケプラー宇宙望遠鏡での検出は厳しいが、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST)の場合は、V ~ 11の明るい恒星まわりのハビタブルゾーン内の地球型惑星周りの構造を検出可能だと考えられる。
Kipping et al. (2014)では、これらに食い違いが生じる要因として 6つの原因を識別した。それは、軌道離心率、他の背景星の混入、恒星の黒点、力学的に引き起こされるトランジット時刻変動 (Transit Timing Variations, TTV)、トランジット継続時間変動 (Transit Duration Variations, TDV)、そして非常に重い惑星 (通常は惑星質量は無視して解析を行うため、惑星や褐色矮星が非常に重い場合は見積もりを間違える)である。さらに Zuluaga et al. (2015)では、7つ目の要因として photo-ring effectを追加した。
しかし人工物は、輻射圧による影響や、人工的な噴射などの重力によらない力による加速も起こりうる。例えば、人工物の姿勢制御や位置の保持のためである。そこで、ここでは 8つ目の要因として、非重力的な加速 ("photo-thrust effect")を加える。
非常に小さく、大量の物体が存在してトランジットをする場合は、それらは半透明のスクリーンとしてはたらくことになり、検出は簡単ではない。また、多数存在する巨大構造物によるトランジットは、一定の低い水準での恒星光の変動となり、光球面での粒状斑、または星震による微小な変動と混同されやすい。
特に低質量で低密度の場合はスケールハイトは大きくなり、惑星半径のオーダーとなる。そのため大気も厚くなり、透過光の分光観測の良い対象となり得る。しかしこのような物体が何も分光的な特徴を示さなかった場合は、人工物である可能性がある。
なお、これまでの最大の TTV、TDVは KOI-142で観測されている。
ただし、環を持つ系については検出と特定が可能であると考えられる。例えば、環はある軸に対して非常に対称な構造を持つと考えられるが、その軸は公転軸である必要は無い。
この効果は、トランジット光度曲線を解釈する際に注意を要する。例えば、重力減光 (gravity darkening)によって恒星の明るさは非一様になる。この効果によって、恒星の自転軸と惑星の公転軸のズレの検出が可能となっている。この効果の初検出は KOI-13で行われた(Barnes 2009, Barnes et al. 2011)。
より劇的な例は PTFO 8-8605であり、ここでは変動するトランジット深さ、トランジット継続時間、トランジット開始時の光度曲線の形状を持つ、非対称な光度曲線が得られている(van Eyken et al. 2013)。これは、この恒星が非常に若い (~ 2.65 Myr)ことから来ているかもしれない。
幸運なことに、黒点のトランジットの診断方法がある。1つは、黒点のトランジットの波長依存性であり、これは多波長でのトランジット観測によって識別可能である。もう一つは長期的な観測を行うことである。
また、黒点がない恒星であっても、トランジットの光度曲線は恒星の周辺減光によって影響を受ける。この効果も波長依存性がある。
・特異なingress, egress形状
人工物由来:トランジットする物体が円盤状ではない
自然由来:系外衛星、環、惑星の自転、重力減光、周辺減光、惑星の蒸発、周辺部にある黒点
・特異な位相曲線
人工物由来:非球形な物体によるトランジット
自然由来:大気中の雲、全球的な大気循環、惑星大気中の天候、日射の変動
・特異なトランジット曲線の底の形状
人工物由来:構造物の形状や配置の変化など
自然由来:重力減光、周辺減光、恒星の扁平度、黒点、系外衛星、惑星周りの円盤
・トランジット深さの変動
人工物由来:構造物の形状や配置の変化など
自然由来:惑星の蒸発、軌道歳差、系外衛星
・トランジット時刻と継続時間の変動
人工物由来:非重力的な力による加速、同軌道に存在する物体の影響
自然由来:惑星間相互作用、軌道歳差、系外衛星
・推測される恒星密度の変動
人工物由来:非重力的な力による加速、同軌道に存在する物体の影響
自然由来:軌道離心率、環、背景星の混入、黒点、惑星間相互作用、非常に重い惑星
・トランジットの非周期性
人工物由来:構造物の群れによるトランジット
自然由来:非常に大きい環、大きなデブリ領域、クランプがあり歪んだ、あるいは歳差を持つ円盤
・恒星が見えなくなる
人工物由来:構造物による完全な掩蔽
自然由来:クランプがあり歪んだ、あるいは歳差を持つ円盤、周連星円盤
・単色のトランジット
人工物由来:人工物による幾何学的な吸収体
自然由来:雲、小さな大気のスケールハイト、背景星の混入、周辺減光
・低質量の物体
人工物由来:人工物は非常に薄くなりうる
自然由来:大きなデブリ領域、背景星の混入
こんな研究もアリなのか…という内容。
変な光度曲線が、実は人工物由来だったら…?という内容で、好き放題言ってるだけという印象も受けますが…なんでも先に言っておくというのは重要なのかもしれない。
arXiv:1510.04606
Wright et al. (2015)
The Ĝ Search for Extraterrestrial Civilizations with Large Energy Supplies. IV. The Signatures and Information Content of Transiting Megastructures
(大きなエネルギー供給をする地球外文明の探査:トランジットする巨大構造物の特徴と情報量)
概要
Arnold (2005)、Forgan (2013)、Korpela et al. (2015)では、惑星サイズの人工物がケプラー宇宙望遠鏡によって発見された可能性について述べている。ここでは、トランジットする巨大構造物についての一般的な議論を行う。また、その特異なシルエット、軌道、透過光の特性に関して、系外惑星のトランジットと区別するための 10の方法について列挙する。さらにそのような観測的特徴が"天然"の現象によって引き起こされる可能性についても列挙する。いくつかの特異な天体 (KIC 12557548、CoRoT-29)では、トランジットの深さに変動があることが分かっている。これらの特徴は、Arnold (2005)での予言や、Forgan (2013)での非対称形状の物体のトランジットによるモデルのどちらか、あるいは両方と整合的なものである。しかしこのような観測的特徴に対しては、自然現象由来の物理モデルが提示されており、地球外文明 (Extraterrestrial Intelligece, ETI)によるものとする仮説が正しいとは保証されない。しかしこれらの観測結果は、一般的ではない振る舞いをするトランジットの特徴が、地球外文明探査 (SETI)の文脈でどう解釈されるかの例として役立つ。
Boyajian et al. (2015)では、KIC 12557548の特異な光度曲線は、巨大物体の群れによるとするモデルと整合的であるとした。ここでは、この天体は良いSETIターゲットであると提案する。
研究背景
地球外の先進文明が作る巨大構造物に関する考察は古くから行われてきた。これらの巨大構造物は、トランジットで検出できたり、中間赤外線で光ったりする。このような巨大構造物を先進文明が建設する理由は不透明だが、大きく分けて2つの理由が考えられる。
1つ目は、エネルギーの獲得とその処理である (Dyson 1960)。
恒星は核融合を通じてエネルギーを生成し、それを放射している。この放射を利用するというものである。大きな恒星光の集光器は、非常に多くのエネルギーを得る、持続可能性のあるエネルギー取得源となる。またエネルギーの利用後は、排熱を行うためのラジエーターが必要となる。
2つ目は、強力で長寿命な、メンテナンスコストの低い"ビーコン"としての巨大物体という仮説である(Arnold 2005)。これはすなわち、「我々はここにいる」と対外的に示すためのものである。
Dyson (1960)では、巨大構造物建設を行う文明では、その巨大構造物が恒星に与える影響は検出可能であるとした。恒星周りの構造物が可視光を隠し、可視光領域での減光を引き起こす。また、利用した熱を赤外線で熱放射する(構造物の有効温度次第)。Dyson (1960)では前者の可視光での減光に着目しているが、後者の赤外放射も現在の天文観測技術では検出可能であると考えられる(Wright et al. 2014)。
巨大構造物による観測的特徴
特異な外見
巨大な構造物としては、巨大な太陽光発電パネルなどが考えられる。この構造が円盤状でない場合、例えば三角形である場合、この構造物によるトランジットは特異な光度曲線として現れる(Arnold 2005)。Arnold (2005)では、巨大構造物のビーコンとしての可能性を以下の3つにまとめた。
(1) 三角形の巨大構造物は惑星によるトランジットと比べて特異な ingress (トランジットへの入り)と egrenn (トランジットからの脱出)を示し、構造物が木星サイズであった場合は両者をケプラー宇宙望遠鏡で識別可能である。
(2) 同じ軌道周期の物体の集団をつくり、その間隔とトランジットの深さを人工的なものにする。
(3) ルーバー付きのスクリーンなどで複雑な光度曲線を実現する。
また、惑星をハロー上に取り囲む物体の隊列なども考えられる(Korpela et al. 2015)。もしこれらが光学的に厚く、惑星周回軌道の高度が十分であれば、惑星がトランジットするときに灰色の (波長依存性のない)大気として検出可能であると考えられる。Korpela et al. (2015)によると、ケプラー宇宙望遠鏡での検出は厳しいが、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST)の場合は、V ~ 11の明るい恒星まわりのハビタブルゾーン内の地球型惑星周りの構造を検出可能だと考えられる。
特異な軌道
現実の系外惑星と恒星の動きは、お互いの重力によって決定される。トランジットのタイミングとその継続時間は、トランジットのインパクトパラメータと、恒星の密度によってパラメータ化される。Kipping et al. (2014)では、これらに食い違いが生じる要因として 6つの原因を識別した。それは、軌道離心率、他の背景星の混入、恒星の黒点、力学的に引き起こされるトランジット時刻変動 (Transit Timing Variations, TTV)、トランジット継続時間変動 (Transit Duration Variations, TDV)、そして非常に重い惑星 (通常は惑星質量は無視して解析を行うため、惑星や褐色矮星が非常に重い場合は見積もりを間違える)である。さらに Zuluaga et al. (2015)では、7つ目の要因として photo-ring effectを追加した。
しかし人工物は、輻射圧による影響や、人工的な噴射などの重力によらない力による加速も起こりうる。例えば、人工物の姿勢制御や位置の保持のためである。そこで、ここでは 8つ目の要因として、非重力的な加速 ("photo-thrust effect")を加える。
構造物の群れ (swarms)
巨大構造物を建設する文明は、さらに複数の物を作るであろうと考えられる。従って中心星は、様々な周期、サイズ、形状を持った、"群れ"によってトランジットされる。非常に小さく、大量の物体が存在してトランジットをする場合は、それらは半透明のスクリーンとしてはたらくことになり、検出は簡単ではない。また、多数存在する巨大構造物によるトランジットは、一定の低い水準での恒星光の変動となり、光球面での粒状斑、または星震による微小な変動と混同されやすい。
完全な掩蔽
人工物によるトランジットの最も極端なものは、構造物が大きく光学的に厚く、恒星を完全に隠す場合、いわゆる完全なダイソン球の場合である。この状況では、巨大構造物が恒星の手前を通過するたびに恒星が瞬くことになる。このシナリオでは、恒星を隠す構造物は中間赤外線で検出可能である。これは、受け取ったエネルギーの排熱を行うためである。特異な質量
人工物はサイズに比して質量が小さいだろうと考えられる。巨大構造物や構造物の群れは、大きな面積を持って恒星を隠すが、恒星や惑星には感知できるほどの重力的な影響は与えないだろう。そのため、視線速度や TTVで質量を測定した際に、極めて低密度の物体として認識されると考えられる。特異な光学特性
人工物によるトランジットの場合は、単色的な特徴、つまり波長依存性の無い特徴を示すだろうと考えられる。惑星などの場合は、大気やダストの影響によって、吸収線や、散乱・吸収の波長依存性が生じる。特に低質量で低密度の場合はスケールハイトは大きくなり、惑星半径のオーダーとなる。そのため大気も厚くなり、透過光の分光観測の良い対象となり得る。しかしこのような物体が何も分光的な特徴を示さなかった場合は、人工物である可能性がある。
自然現象による特徴
ここでは、上に挙げた人工物によって引き起こされる観測的特徴と似た効果を示すであろう自然現象によるシグナルについて挙げる。惑星間相互作用
ケプラー運動から外れた運動は、他の惑星による摂動によっても起きる。例えば、大きな TTVやTDVである。これらは特に、惑星同士が平均運動共鳴に入っている場合、あるいはそれに近い状態に大きなものになる。(これには 1:1平均運動共鳴のトロヤ群も含む。)なお、これまでの最大の TTV、TDVは KOI-142で観測されている。
非対称形状の惑星
系外惑星の扁平度、自転速度、潮汐固定を、トランジットの ingressとegressから探る方法が提案されている(Seager & Hui 2002, Carter & Winn 2010)。この効果は非常に小さく、これまでに Zhu et al. (2014)によって観測からの示唆があるのみである。ただし、環を持つ系については検出と特定が可能であると考えられる。例えば、環はある軸に対して非常に対称な構造を持つと考えられるが、その軸は公転軸である必要は無い。
非対称な恒星と重力減光
恒星も自転によって扁平化する。これは恒星のスペクトル中の線幅や、恒星表面の黒点が時点に伴って移動することによる変光から判断可能である。この効果は、トランジット光度曲線を解釈する際に注意を要する。例えば、重力減光 (gravity darkening)によって恒星の明るさは非一様になる。この効果によって、恒星の自転軸と惑星の公転軸のズレの検出が可能となっている。この効果の初検出は KOI-13で行われた(Barnes 2009, Barnes et al. 2011)。
より劇的な例は PTFO 8-8605であり、ここでは変動するトランジット深さ、トランジット継続時間、トランジット開始時の光度曲線の形状を持つ、非対称な光度曲線が得られている(van Eyken et al. 2013)。これは、この恒星が非常に若い (~ 2.65 Myr)ことから来ているかもしれない。
黒点と周辺減光
惑星がトランジット中に恒星の黒点を隠した場合、光度曲線が少し明るくなる。この効果は、Pont et al. (2007)によって、ハッブル宇宙望遠鏡を用いて HD 189733bのトランジット時に初めて確認された。幸運なことに、黒点のトランジットの診断方法がある。1つは、黒点のトランジットの波長依存性であり、これは多波長でのトランジット観測によって識別可能である。もう一つは長期的な観測を行うことである。
また、黒点がない恒星であっても、トランジットの光度曲線は恒星の周辺減光によって影響を受ける。この効果も波長依存性がある。
系外衛星
大きな衛星や、あるいは極端なケースとしては二重惑星のトランジットについての考察も存在する(Kipping et al. 2012)。衛星を持つことによって質量重心からのズレが発生し、これは TDVを引き起こす。また大きい衛星の場合は、トランジットの光度曲線自体に影響を与える。これは、ingress、egressの異常や、トランジット中の光度変化として現れる。大きな掩蔽体
惑星周りの環や円盤、デブリ、あるいはダストテイルなどが考えられる。例として、1SWASP J140747.93-394542.6が、惑星の周囲にリングや円盤などの大きな構造を持つ候補天体である(Mamajek et al. 2012など)。環や円盤を持つ天体は、複雑で大きな減光を引き起こす。高軌道離心率の天体
トランジットを起こす天体の場合は円軌道を仮定して解析を行う場合があるが、もし惑星が大きな軌道離心率を持っていた場合、円軌道か低軌道離心率を仮定して行った解析と大きなズレを生じる場合がある。背景星の混入
トランジット観測時に、背景にある無関係の恒星の変動が混入 (blend)する場合がある。これはトランジットの偽陽性の原因のひとつであるが、この背景星の混入によって光度曲線が奇妙な形状を示すことがある。雲、大気の小さなスケールハイト
惑星大気中に存在する雲は、灰色 (波長依存性が無い)、光学的に厚い散乱源である。雲や全球的な大気循環、大気中での気象現象は、惑星のアルベドの時間変動や、放射率、温度の経度方向の依存性を引き起こす。そのため惑星を非対称にし、反射光や放射光の位相曲線に影響を及ぼす可能性がある。低密度惑星
これまでに、0.15 g cm-3未満の低密度の惑星も複数発見されている(ケプラー7b、ケプラー79b、ケプラー51b、ケプラー87c、ケプラー12b)。このような低密度の惑星は、低密度の人工物と似た特徴を示す可能性がある。人工物の観測的特徴
ここでは、人工的な巨大構造物による観測的特徴と、それと同じ特徴を示しうる自然由来のシグナルについてまとめる。・特異なingress, egress形状
人工物由来:トランジットする物体が円盤状ではない
自然由来:系外衛星、環、惑星の自転、重力減光、周辺減光、惑星の蒸発、周辺部にある黒点
・特異な位相曲線
人工物由来:非球形な物体によるトランジット
自然由来:大気中の雲、全球的な大気循環、惑星大気中の天候、日射の変動
・特異なトランジット曲線の底の形状
人工物由来:構造物の形状や配置の変化など
自然由来:重力減光、周辺減光、恒星の扁平度、黒点、系外衛星、惑星周りの円盤
・トランジット深さの変動
人工物由来:構造物の形状や配置の変化など
自然由来:惑星の蒸発、軌道歳差、系外衛星
・トランジット時刻と継続時間の変動
人工物由来:非重力的な力による加速、同軌道に存在する物体の影響
自然由来:惑星間相互作用、軌道歳差、系外衛星
・推測される恒星密度の変動
人工物由来:非重力的な力による加速、同軌道に存在する物体の影響
自然由来:軌道離心率、環、背景星の混入、黒点、惑星間相互作用、非常に重い惑星
・トランジットの非周期性
人工物由来:構造物の群れによるトランジット
自然由来:非常に大きい環、大きなデブリ領域、クランプがあり歪んだ、あるいは歳差を持つ円盤
・恒星が見えなくなる
人工物由来:構造物による完全な掩蔽
自然由来:クランプがあり歪んだ、あるいは歳差を持つ円盤、周連星円盤
・単色のトランジット
人工物由来:人工物による幾何学的な吸収体
自然由来:雲、小さな大気のスケールハイト、背景星の混入、周辺減光
・低質量の物体
人工物由来:人工物は非常に薄くなりうる
自然由来:大きなデブリ領域、背景星の混入
こんな研究もアリなのか…という内容。
変な光度曲線が、実は人工物由来だったら…?という内容で、好き放題言ってるだけという印象も受けますが…なんでも先に言っておくというのは重要なのかもしれない。
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