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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.08859
Spake et al. (2019)
A super-solar metallicity atmosphere for WASP-127b revealed by transmission spectroscopy from HST and Spitzer
(HST とスピッツァーの透過光分光観測で明らかになった WASP-127b の超太陽金属量大気)

概要

系外惑星大気の化学存在度は,惑星のバルク組成,形成過程と進化の歴史についての情報を含んでいる.サイズが大きく,比較的雲の無い大気を持つ系外惑星で,かつ明るい恒星を公転しているものは,正確な組成の測定を行うのに適している.

ここでは,明るい (V ~ 10.2) 恒星を公転する,土星より軽い (0.19 木星質量),大きい (1.37 木星半径) 系外惑星 WASP-127b の透過スペクトルを測定した.観測は近紫外線から近赤外線までの波長 (0.3-5 µm) で,ハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡を使用した.

その結果,特徴に富んだ透過スペクトルが得られた.
スペクトル中には,ナトリウム,水蒸気,二酸化炭素と,小さい粒子の凝縮物による波長依存性のある散乱の特徴,および分子の吸収をいくらか減衰させている灰色の吸収体の特徴が見られた


得られたスペクトルを元に,2 つの大気復元モデルを実行した.一つは化学平衡を仮定したもの,もう一つは大気組成を自由にフィットするものである.

復元された大気組成は,化学平衡を仮定したモデルでは,ナトリウムと酸素,炭素は太陽組成より大きく,太陽での値に対してそれぞれ 51, 23, 33 倍と推定された.矛盾する C/O 比であるものの,どちらの復元モデルでも二酸化炭素の体積混合比は太陽組成を超える値を得る.そのため,この惑星の全体の金属量は太陽組成を上回っている可能性が高い.これは,二酸化炭素の存在度は大気の金属量に非常に敏感であるためである.

将来的に,ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によってこの惑星の C/O 比に制約を与え,また重元素の多い,非常に観測可能な系外惑星の形成史を明らかにできるだろう.

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