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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.12767
Venturini & Helled (2019)
Jupiter's heavy-element enrichment expected from formation models
(形成モデルから予想される木星の重元素増加)

概要

この研究の目的は,木星に降着した重元素の量に注目し,最近の木星の構造モデルと比較することで,木星の成長を調査することである.
今回のモデルでは,木星の形成過程として,初期はコアの成長においてペブル降着が支配的の状況を仮定し,続く 2 番目の成長フェーズでは微惑星とガス両方の穏やかな降着に移行することを仮定する.また 3 番目のフェーズでは,惑星が円盤から切り離された状態になるような,暴走ガス降着が支配的であるとする.

2 番目と 3 番目のフェーズは,2 つの異なる微惑星降着の手法と,円盤から切り離されたフェーズでのガス降着を計算する流体力学的な研究からのフィットを考慮して詳細に計算を行った.

微惑星の降着が支配的になると,構造モデルから示唆される ~20-40 地球質量の重元素量を説明するためには,木星の形成場所は太陽から 1-10 au の範囲内が好ましいことを見出した.また,暴走ガス降着が発生している間に,木星は ~1-15 地球質量の重元素を降着することを見出した.この値は,微惑星の初期面密度と,惑星形成の最終段階の間の重元素降着の推定に用いた手法に依存する.

今回の結果からは,木星のエンベロープに含まれる金属量は太陽の ~0.5 - ~3 倍になることが予測される.固体 (重元素) の分離時期における降着を計算することで,惑星の質量-金属量関係を,微惑星円盤のギャップが形成された段階で \(M_{Z}\sim M_{\rm p}^{2/5}\),微惑星ギャップがない場合は \(M_{Z}\sim M_{\rm p}^{1/6}\) となることが示唆される.

今回想定したハイブリッドべブル・微惑星モデルは,木星の全体及び大気の重元素量増加を説明可能である.
多くの巨大系外惑星で推定されている高い金属量は,一般的な形成モデルで説明するのは難しい.このことは,このような金属量が多い巨大系外惑星は,大きく軌道移動を起こしたか,円盤散逸後の巨大衝突,あるいはその両方を経験したことを示唆している可能性がある.

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