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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2001.10062
Mercer & Stamatellos (2020)
Planet formation around M dwarfs via disc instability: Fragmentation conditions and protoplanet properties
(M 矮星周りでの円盤不安定性を介した惑星形成:分裂条件と原始惑星の特性)

概要

M 型星を公転する観測された系外惑星のうち,およそ 30% は木星より重い巨大惑星である.これらは主に円盤不安定性を介して形成されたと考えられる惑星である.

ここでは M 矮星まわりでの円盤分裂の条件を調べ,円盤不安定性によって形成される惑星の特性について調査を行った.M 型矮星の原始星の円盤の流体力学シミュレーションを行い,円盤の重力分裂に必要な最小円盤質量を調査した.シミュレーションでは,異なる恒星質量,円盤半径,金属量を考慮した.またシミュレーション中では,原始惑星系円盤の質量は円盤が分裂し原始惑星が形成されるまで定常的に増加させる.

その結果,円盤の分裂が発生するためには,円盤と恒星の質量比が 0.3-0.6 である必要があることが分かった.円盤が分裂するのに必要な最小質量は,恒星質量と円盤サイズに伴い大きくなる.円盤の金属量は最小円盤分裂質量に大きく影響を及ぼさないが,金属量が高いほうが分裂は抑制される.

原始惑星は恒星から ~50 AU の距離で,数千年以内という短い時間で急速に形成され,初期は非常に高温である.これらの原始惑星の中心部は,コア降着で形成される惑星の降着衝撃波で期待されるものと同程度の温度になる (最大 12000 K).
これらの惑星の最終特性 (質量と軌道半径) は,長時間にわたる円盤と惑星の相互作用や惑星惑星相互作用で決まる.

結論としては,形成の初期段階での円盤質量が中心星の少なくとも 30% ある場合,円盤不安定性は M 型矮星の周りの巨大ガス惑星を形成するもっともらしい経路であると考えられる.M 型星まわりの重い円盤や,非常に若い M 矮星まわりの惑星の将来的な観測が,低質量星周りでの惑星形成における円盤不安定性の重要性を確立するために必要である.

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