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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2003.04525
Gan et al. (2020)
LHS 1815b: The First Thick-Disk Planet Detected By TESS
(LHS 1815b:TESS で検出された初めての厚い円盤の惑星)

概要

銀河系の厚い円盤 (thick disk) に属する系外惑星 LHS 1815b (TOI-704b, TIC 260004324) の発見を報告する.TESS によって発見された惑星としては,厚い円盤に属する惑星の発見は初めてである.

この惑星は TESS サーベイの一環として発見された.LHS 1815b は,明るい静穏な M 矮星をトランジットしている.この惑星を宇宙空間からと地上からの測光観測,分光観測と撮像から確認された.惑星は 1.088 地球半径で,3σ の質量上限は 8.7 地球質量である.

銀河の運動学と主星の軌道から,この天体は TESS で発見された惑星を持つ他の恒星と比べて,銀河平面からずっと高い想定最大高さ (Zmax = 1.8 kpc) の厚い円盤 (thick disk) に属している可能性が非常に高いと推定される.厚い円盤に属している可能性と薄い円盤に属している可能性の比は 6482 である.

将来のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡での内部構造と大気特性の研究から,銀河系内の異なる集団 (厚い円盤,薄い円盤,ハロー) における惑星形成効率と進化の違いについて調査を行うことが可能になるだろう.

厚い円盤について

銀河系はいくつかの要素から構成されていると考えられている.薄い円盤 (thin disk),厚い円盤 (thick disk),ハロー,そしてバルジである.太陽近傍の恒星は大部分が銀河円盤に属しており,少数がハローに属している.一般的には,薄い円盤に属する恒星と比べると,厚い円盤の恒星は年老いており,α 元素が多く低金属量である.また厚い円盤に属する恒星は力学的に熱い.これらの違いは,惑星形成の効率に影響を及ぼす可能性がある.

現在までに 4000 個以上の系外惑星が発見されているが,厚い円盤に属している可能性がある恒星の周りでの系外惑星の発見報告はわずかである.銀河系の厚い円盤と薄い円盤の間の惑星形成と進化の違いは依然として不明である.

パラメータ

LHS 1815
距離:29.87 pc
質量:0.502 太陽質量
半径:0.501 太陽半径
光度:0.041 太陽光度
有効温度:3643 K
金属量:[Fe/H] = -0.12
自転周期:47.8 日
LHS 1815b
軌道周期:3.81433 日
半径:1.088 地球半径
質量:4.2 地球質量 (※ただし統計的に有意ではなく,3σ の上限値は 8.7 地球質量)
平衡温度:617 K (アルベド 0,熱の再分配は無いと仮定)

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