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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.09097
Gettel et al. (2015)
The Kepler-454 System: A Small, Not-rocky Inner Planet, a Jovian World, and a Distant Companion
(ケプラー454系:小さく非岩石質の内側の惑星、木星型惑星と、遠方の伴星)

概要

ケプラー454 (KOI-273)は、比較的明るい (V = 11.69)、太陽型の恒星であり、周期 10.6日のトランジット惑星候補のシグナルが発見されている。この恒星は、分光観測から有効温度が 5687 K、金属量は [m/H] = 0.32である。また天球面上に投影した自転速度は 2.4 km s-1である。これらの値と、ケプラーによる星震の観測から、1.028太陽質量、1.066太陽半径、年齢は 5.35 Gyrと判明した。

これらの観測を元に、10.6日周期の惑星の半径は 2.37地球半径と算出される。また、HARPS-Nによる 63回の視線速度観測より、質量は 6.8地球質量であると判明した。

さらに、視線速度の観測から2つのトランジットをしていない伴星を検出した。一つ目は最小質量が 4.46木星質量であり、ほぼ円の軌道を 524日周期で公転している。二つ目は、軌道周期が 10年を超える、12.1木星質量より重い天体である。

惑星半径が 2.7地球半径以下のもので、質量が判明している 12の系外惑星は、2つのグループに大別することが出来る。1.6地球半径より小さいものは地球に類似した組成であり、それより大きいものは多くの揮発性物質が必要とされる。ケプラー454bは平均密度が 2.76 g cm-3であり、この 2つのグループの中間に位置する。そのため、揮発性物質か水素・ヘリウム、あるいはその両者を多く含んでいる必要があると考えられる。

組成について

半径が 1.6地球半径のもののうち、質量が分かっているものは、地球や金星と同程度の平均密度を持つ。最近発見された HD 219314bも同程度の平均密度を持っている (Motalebi et al. 2015)。
(※参考記事
天文・宇宙物理関連メモ vol. 33 Motalebi et al. (2015) 太陽系に最も近いトランジット惑星の発見)
地球と同程度ということは、つまり地球と同程度の鉄とマグネシウムシリケイトの割合になっている。

しかし 2 - 2.7地球半径の惑星は、組成は岩石主体とは非整合的である。このような惑星の密度を説明するためには、水やその他の揮発性物質、あるいは水素・ヘリウムが必要である。もし 1.6地球半径より大きい岩石惑星が存在するのであれば、より重くなければならず、従ってもっと検出されやすいはずである。

今後小さい惑星の発見数が増えてもそのような高密度の惑星が少ないのであれば、6地球質量より大きい惑星の殆どは、大量の揮発性物質か水素ヘリウム、あるいはその両方を含むエンベロープを持つということが示唆される。

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