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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1512.02649
Hands & Alexander (2015)
There might be giants: unseen Jupiter-mass planets as sculptors of tightly-packed planetary systems
(狭い範囲に集まった惑星系の "彫刻家" としての不可視の木星質量惑星)

概要

ケプラーによる系外惑星のサーベイのデータは、特に軌道周期が 1年を超えるものに関しては完全ではない。(※観測のバイアスや観測期間等の問題から、完全なサーベイは出来ていないという意味) そのため、発見されている系外惑星系が未検出の巨大惑星を持っている可能性は存在する。そのような惑星が存在した場合、その系の惑星の最終的な軌道配置に対して影響を与えることが考えられる。

ここでは、N体シミュレーションに原始惑星系円盤による効果を加えたものを用いて、スーパーアース質量の複数の惑星が狭い範囲に存在し、さらにその外側に未検出の巨大ガス惑星が存在するという状況のシミュレーションを行った。この系は、例えばケプラー11やケプラー32の系のような、4 - 5個のスーパーアースが恒星に近い狭い範囲に軌道を持っているという状態に近いものだが、さらにそこにケプラーでは発見されていないだろう長周期の巨大惑星を追加したという系になっている。

シミュレーションの結果、外側に存在する巨大惑星は、比較的軌道間隔の広い 1次の平均運動共鳴 (1:2 軌道共鳴など)を破壊する傾向にあることが判明した。従って、内側の惑星は 1次の平均運動共鳴から外れ、さらに軌道間隔の狭い共鳴状態へと移動することが出来る。これにより内側の惑星の配置はコンパクトなものになり、またラプラス共鳴の連なりが形成される確率を上げるはたらきがある。







タイトルの "There might be giants"、直訳すれば「(そこには)巨人がいるかもしれない」という意味、あるいは "giant" だけで巨大惑星を意味することもあるので「(そこには)巨大惑星がいるかもしれない」という意味になります。が、アメリカの有名なバンドに "They might be giants" という名前のバンドがいるため、これをもじったものかもしれません。

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