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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1512.02706
Zhou et al. (2015)
Discovery of Rotational Modulations in the Planetary-Mass Companion 2M1207b: Intermediate Rotation Period and Heterogeneous Clouds in a Low Gravity Atmosphere
(惑星質量天体 2M1207bの自転による変動の発見:中間的な自転周期と低重力大気中における不均一な雲)

概要

褐色矮星の自転に起因する光度の変動は、非常に低温な大気における、経度方向・垂直方向の雲構造や雲の進化などの特徴に対して強い制限を与える。さらに周期的な光度変化による光度曲線からは、極めて低温の天体の自転周期を直接探るヒントにもなる。ここでは、惑星質量天体である 2M1207bの高精度かつ時間分解した初めての測光観測の結果について報告する。

2M1207の連星系を、ハッブル宇宙望遠鏡の Wide Field Camera 3 (WFC3)で観測した。主星の 2M1207 は平坦な光度曲線と整合的な結果を得た。しかし伴星の 2M1207bは、光度曲線に明確な変動があることが確認された。変動の振幅は、F125W のフィルターで 1.36%、F160W のフィルターで 0.78%であった。

この変動はサインカーブでフィットすることができ、両バンドでほぼ同じである 10.7時間の変動であった。

また、2M1207b のJバンド・Hバンドでの振幅の比は、異なる J-H での色を持つが同一のスペクトル型である他の褐色矮星と似ているものであった。

今回の自転周期の測定は、直接撮像で発見されている太陽系外の惑星質量天体の自転周期を測定した初めての例である。

2M1207系について

2M1207b は、太陽系外で直接撮像で発見された初めての惑星質量天体 (planetary-mass object)である (Chauvin et al. 2004)。2M1207b とその中心星 2M 1207 は、Chauvin et al. (2005)と Song et al. (2006)によって、重力的に束縛されていることが確認された。両者は 0.78" 離れており、この系までの距離が 52.4 pc であることを考慮すると 41.2 AU に相当する。

2M1207b の年齢と近赤外線での光度を褐色矮星の冷却モデル (Baraffe et al. 2003など)と合わせると、この天体は 2.3 - 4.8木星質量であると考えられる。中心星は褐色矮星質量であり、周囲には円盤が発見されているが (Sterzuk et al. 2004)、伴星と主星の質量比が大きいことと、2天体間の間隔が広いことなどから、連星的な重力的な分裂による形成過程で作られたと考えられている (Lodato et al. 2005, Mohanty et al. 2007)。

自転周期のトレンドとの比較

太陽系の惑星の自転周期と質量の間には一定の関係があり、質量が大きい方が自転周期は短い。これまでに太陽系外惑星で自転周期の推定がされたものはがか座ベータ星bのみであるが、この惑星の自転周期は太陽系の惑星の自転周期のトレンドと矛盾しない。(がか座ベータ星は重い惑星であり、自転周期は木星よりも短い)

今回の 2M1207bの自転周期は木星よりも長い (自転が遅い)が、おおむねトレンドとは矛盾しない。また若いガス惑星や惑星質量天体は半径が大きくその分自転周期も長くなるが、冷えて収縮するとスピンアップして自転周期は短くなる。このスピンアップした後の自転周期は、太陽系惑星の質量と自転周期のトレンドによく一致する。これはがか座ベータ星についても同様である。

がか座ベータ星はおそらく原始惑星系円盤内で形成され、2M1207bはおそらく分子雲からの分裂で連星的に形成されたと考えられ、形成過程は大きく異なるが、それでも同じトレンドと整合的であるということが示された。

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