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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1602.03022
Burgasser et al. (2016)
The First Brown Dwarf/Planetary-Mass Object in the 32 Orionis Group
(32 Orionis Group 中における褐色矮星/惑星質量天体の初めての発見)

概要

32 Orionis Group は,太陽から 100 pc の距離にある,若く (~ 24 Myr),スペクトル型 M3 - B5 の ~20 の恒星がまとまって動いている星団である.この中にある,初めての恒星未満の質量を持つ天体,WISE J052857.69+090104.2 の発見を報告する.

この天体は,過去に M型巨星として報告されていた.これは,近赤外線領域での異常なスペクトルと,測定可能な固有運動の不足が原因である.ここでは過去のデータの再解析と,Megellan/FIRE による新しい中分解能の分光観測より,この天体が若く,近赤外で明るい,表面重力が非常に小さい L1 型の褐色矮星である事が判明した.

スペクトルのモデルから,有効温度は 1880 K であると推定される.表面重力は log g = 3.8 である.これらの結果より,この天体の質量は重水素燃焼の臨界質量に近く,また年齢は 15 -22 Myr と推定され,これは観測と整合的な値である.

天球における位置,天体までの推定距離,固有運動と視線速度,スペクトルの特徴より,この天体は 32 Orionis の一員であると考えられる.また温度と年齢から,推定質量は 14 (+4, -3) 木星質量と推定される.これは褐色矮星と惑星の質量の境界をまたぐ値である.

この天体は,他の L1 型の天体と比較すると,J - W2 でいくぶんか明るいという特徴を示す.しかしこれは小さい表面重力に関連した温度のオフセットによるものだろうと考えられる.従って,大きな赤化の超過 (円盤や低温な伴星が存在した場合に検出され得るもの) は,3 - 5 μm の範囲では得られなかった.

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