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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1603.01144
Hoyer et al. (2016)
Ruling out the orbital decay of the WASP-43b
(WASP-43b の軌道減衰の否定)

概要

WASP-43b の 15 回のトランジットを,i', g', R フィルターで行った.観測には Las Cumbres Observatory Global Telescope (LCOGT) ネットワークの 1.0 m 望遠鏡と,IAC 80 望遠鏡を用いた.

今回新たに得られた 15 のトランジット光度曲線を,過去の 52 の光度曲線と合わせ,全てのトランジットを均一に解析した.5 年に及ぶトランジットのデータと 72 のトランジットの中心時刻の解析から,軌道周期が減衰しているという仮説を検証した.

その結果,トランジット時刻は,今回アップデートした,軌道周期を一定とした天体暦の式とよく一致した.また,軌道周期の変化率は,-0.02 ± 6.6 ms yr-1 より大きくないことが分かり,これは周期を一定とする場合と整合的である

トランジット時刻の解析からは,恒星の潮汐散逸の Q 値が 105 より小さいという可能性を破棄した.また今回の観測から惑星のパラメータのアップデートを行った.

これまでの解析との比較

Gillon et al. (2012) のトランジット観測と,Exoplanet Transit Database (Podany et al. 2010) のアマチュア観測のデータを元に,Blecic et al. (2014) では,軌道周期の減衰率は -0.095 ± 0.036 s yr-1 であるとした.

Murgos et al. (2014) は 5 つの新しいトランジット観測のデータを加え,軌道の減衰率を -0.15 ± 0.06 s yr-1 とした.また,Chen et al. (2014) では -0.09 ± 0.04 s yr-1とした.
さらにデータを増やした解析では,-0.029 ± 0.008 s yr-1 という値が得られている (Jiang et al. 2015).

今回の解析で得られた新しい値 -0.02 ± 6.6 ms yr-1 = -0.00002 ± 0.0066 s yr-1 は,これまでの結果より 3 桁小さい値である

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