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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1603.09352
Andrews et al. (2016)
Ringed Substructure and a Gap at 1 AU in the Nearest Protoplanetary Disk
(最も近い原始惑星系円盤内のリング状構造と 1 AU におけるギャップ)

概要

Atacama Large Millimeter/submillimeter Array (アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計,ALMA) を用いて,太陽系に最も近いガスが豊富な原始惑星系円盤であるうみへび座TW星 (TW Hya) の 870 µm 連続光の観測を行った.この観測ではミリメートルサイズの粒子をトレースすることが出来る.また観測の空間スケールは ~ 1 AU (20 mas) である.

観測の結果,明るい帯状の部分と,暗いリング状の同心円の下部構造が発見された.それぞれのコントラストは 5 - 30 %であった.

この構造は,おそらくは局所的なガス圧の極大によって,粒子の内向き移動が減速されているか,止められていることによる集積に起因するものと考えられる.

観測された円盤構造の特徴は,主要な揮発性物質が凝集する温度の位置に近い場所にある.しかし,観測された小さい輝度コントラストは,磁化した円盤の進化に対応している可能性もある.

またその他の構造として,~ 1 AU に暗いリング状構造が検出された.これは円盤と若い惑星の相互作用によって形成されたものである可能性がある.

おうし座HL星との比較

これと似たような構造が,同じく ALMA による観測で,より若い天体であるおうし座HL星 (HL Tau) でも検出されている (ALMA Partnership 2015).しかし今回の結果は,それとは外見的な類似にすぎない.

TW Hya の暗いリング状構造は,HL Tau と比較して浅く狭い構造である.仮に TW Hya が HL Tau と同じ距離 (~ 140 pc) にあったとすると,今回観測された 22 AU 付近の構造しか分解できないだろうと考えられる.
なお TW Hya は 54 ± 6 pc の距離にあり (van Leeuwen 2007),年齢は ~ 10 Myr (Weinberger et al. 2013など) である.

発見された構造

円盤内側では,~ 1 AU に暗いリング構造が発見された.この構造は周囲より 30%深い.

円盤の外側では,22, 37, 43 AU の位置に暗いリングが発見された.これらの暗い特徴は狭く,1 - 6 AU 程度であり,周囲より 5 - 20%だけ暗い.

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