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カプタイン星 (Kapteyn's star)は馴染みのない名前の恒星かもしれません。
太陽系から3.9 pc = 12.76光年と比較的近い恒星ではあるんですが、赤色矮星(M型主系列星)なので星自体が暗く、9等星なので肉眼では絶対見えない恒星です。
とはいえ望遠鏡を使えば観測できるので、1897年にカプタインさんが発見して「カプタイン星」という名前で呼ばれています。
カプタイン星に限らず、太陽系近傍の赤色矮星は発見者の名前で呼ばれているものが多いように感じます。
さてこのカプタイン星、恒星自体が結構特徴的です。
銀河系内の恒星は銀河系内をおおむね似通った速度で公転しているので、近傍の恒星の相対速度はそんなに変わらないんですが、カプタイン星は太陽との相対速度がとても大きいことがわかってます。
カプタイン星の固有運動は、同じく近傍の恒星であるバーナード星に次ぐ大きさです。
また、年齢は100億年かそれ以上と非常に"古い"恒星で、古い恒星にありがちな低い金属量を示しています。
これらの特徴から、カプタイン星は銀河のハローに属する、種族IIの古い恒星だと言われています。
(太陽は銀河のディスク部分に属する、種族Iの比較的新しいグループ)
そんなカプタイン星、2014年には惑星が2つ発見されたというニュースがありました。
金属量が少ない古い恒星は惑星を作る材料になる重元素が少ないため、惑星は持てないんじゃないかという話もあったのですが、年齢が100億年を超える古い恒星でも惑星を持てる例として話題になりました。
まあ、カプタイン星も金属量が少ないとはいえ極端に少ないわけじゃないので、惑星が出来ること自体はそう不思議ではない、はず。
カプタイン星周りの惑星は視線速度法を用いて検出され、それぞれカプタイン星b (Kapteyn b)とカプタイン星c (Kapteyn c)として系外惑星のカタログにも掲載されました。
どちらもサイズ的には地球より一回り大きい、いわゆるスーパーアースに分類されるものです。
スーパーアースが発見されたという事自体は、今となってはもう大きなニュースではないんですが、カプタイン星bの場合は中心星からの距離と中心星の表面温度を考えるとハビタブルゾーン内の惑星だろうということでニュースになったのです。
・太陽系の近傍にあり、
・銀河系ハローに属する歳老いた恒星に、
・地球型惑星(スーパーアース)が発見され、
・なおかつハビタブルゾーン内を公転する
という、アピールポイント(?)の多い系外惑星だったわけです。
発見されている系外惑星のうち、ハビタブルゾーン内に存在する、(おそらく)地球型惑星だと考えられているものはいくつかありますが、その中で一番近いのはくじら座タウ星eの11.9光年です。
12.76光年の距離にあるカプタイン星bは、太陽系から2番目に近いハビタブル惑星候補だと考えられました。
しかしつい最近、追観測からこんな結果が得られたとのこと。
Stellar activity mimics a habitable-zone planet around Kapteyn's star
mimicというのは"模倣する"とか"〜に似る"とかいう意味で、要するにカプタイン星周りのハビタブルゾーンの惑星は、恒星活動による変動を誤認したものだということを主張する研究結果です。
概要をざっと見てみました。
2014年の発見時のデータでは、カプタイン星bは公転周期約48日の惑星だと考えられていました。
しかし視線速度法による検出では、恒星の表面活動や恒星の自転によって生み出されるシグナルを、惑星によるものだと誤認することがしばしばあります。
詳細な観測の結果、中心星であるカプタイン星は自転周期が143日であるということが判明。
カプタイン星bによると思われていた48日の変動は、この自転周期のちょうど3分の1に相当する長さです。
観測結果の解析の結果、当初惑星に起因すると考えられていた変動は、惑星によるものではなく恒星自身の変動を捉えたものである可能性が高い、ということのようです。
カプタイン星bは太陽系から2番目に近いハビタブル惑星候補で、なおかつ最も古い部類の系外惑星とされてましたが、残念ながら惑星検出は False positive (偽陽性)の可能性が高く、存在しないだろうとのこと。
うーん、なんだか残念です。
ちなみに同時に発見されたカプタイン星cの方は、今のところカプタイン星自身の活動の周期との相関は見られない、つまりこちらも誤認であるという証拠は見つからなかったそうです。
太陽系から3.9 pc = 12.76光年と比較的近い恒星ではあるんですが、赤色矮星(M型主系列星)なので星自体が暗く、9等星なので肉眼では絶対見えない恒星です。
とはいえ望遠鏡を使えば観測できるので、1897年にカプタインさんが発見して「カプタイン星」という名前で呼ばれています。
カプタイン星に限らず、太陽系近傍の赤色矮星は発見者の名前で呼ばれているものが多いように感じます。
さてこのカプタイン星、恒星自体が結構特徴的です。
銀河系内の恒星は銀河系内をおおむね似通った速度で公転しているので、近傍の恒星の相対速度はそんなに変わらないんですが、カプタイン星は太陽との相対速度がとても大きいことがわかってます。
カプタイン星の固有運動は、同じく近傍の恒星であるバーナード星に次ぐ大きさです。
また、年齢は100億年かそれ以上と非常に"古い"恒星で、古い恒星にありがちな低い金属量を示しています。
これらの特徴から、カプタイン星は銀河のハローに属する、種族IIの古い恒星だと言われています。
(太陽は銀河のディスク部分に属する、種族Iの比較的新しいグループ)
そんなカプタイン星、2014年には惑星が2つ発見されたというニュースがありました。
金属量が少ない古い恒星は惑星を作る材料になる重元素が少ないため、惑星は持てないんじゃないかという話もあったのですが、年齢が100億年を超える古い恒星でも惑星を持てる例として話題になりました。
まあ、カプタイン星も金属量が少ないとはいえ極端に少ないわけじゃないので、惑星が出来ること自体はそう不思議ではない、はず。
カプタイン星周りの惑星は視線速度法を用いて検出され、それぞれカプタイン星b (Kapteyn b)とカプタイン星c (Kapteyn c)として系外惑星のカタログにも掲載されました。
どちらもサイズ的には地球より一回り大きい、いわゆるスーパーアースに分類されるものです。
スーパーアースが発見されたという事自体は、今となってはもう大きなニュースではないんですが、カプタイン星bの場合は中心星からの距離と中心星の表面温度を考えるとハビタブルゾーン内の惑星だろうということでニュースになったのです。
・太陽系の近傍にあり、
・銀河系ハローに属する歳老いた恒星に、
・地球型惑星(スーパーアース)が発見され、
・なおかつハビタブルゾーン内を公転する
という、アピールポイント(?)の多い系外惑星だったわけです。
発見されている系外惑星のうち、ハビタブルゾーン内に存在する、(おそらく)地球型惑星だと考えられているものはいくつかありますが、その中で一番近いのはくじら座タウ星eの11.9光年です。
12.76光年の距離にあるカプタイン星bは、太陽系から2番目に近いハビタブル惑星候補だと考えられました。
しかしつい最近、追観測からこんな結果が得られたとのこと。
Stellar activity mimics a habitable-zone planet around Kapteyn's star
mimicというのは"模倣する"とか"〜に似る"とかいう意味で、要するにカプタイン星周りのハビタブルゾーンの惑星は、恒星活動による変動を誤認したものだということを主張する研究結果です。
概要をざっと見てみました。
2014年の発見時のデータでは、カプタイン星bは公転周期約48日の惑星だと考えられていました。
しかし視線速度法による検出では、恒星の表面活動や恒星の自転によって生み出されるシグナルを、惑星によるものだと誤認することがしばしばあります。
詳細な観測の結果、中心星であるカプタイン星は自転周期が143日であるということが判明。
カプタイン星bによると思われていた48日の変動は、この自転周期のちょうど3分の1に相当する長さです。
観測結果の解析の結果、当初惑星に起因すると考えられていた変動は、惑星によるものではなく恒星自身の変動を捉えたものである可能性が高い、ということのようです。
カプタイン星bは太陽系から2番目に近いハビタブル惑星候補で、なおかつ最も古い部類の系外惑星とされてましたが、残念ながら惑星検出は False positive (偽陽性)の可能性が高く、存在しないだろうとのこと。
うーん、なんだか残念です。
ちなみに同時に発見されたカプタイン星cの方は、今のところカプタイン星自身の活動の周期との相関は見られない、つまりこちらも誤認であるという証拠は見つからなかったそうです。
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