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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1606.07218
Heng (2016)
A Cloudiness Index for Transiting Exoplanets Based on the Sodium and Potassium Lines: Tentative Evidence for Hotter Atmospheres Being Less Cloudy at Visible Wavelengths
(ナトリウムとカリウムのスペクトル線を基準にしたトランジット惑星の雲量指数:可視光波長では高温の大気は雲が少ないという暫定的な証拠)

概要

ここでは,トランジット惑星の雲量 (cloudiness) を定量的に評価するための無次元量を定義する.ここでの雲量は,惑星大気の透過スペクトル中のナトリウムとカリウムのスペクトル線の中心と,スペクトル線の形状のウィング部分で評価をする.

また,この雲量の指数を導出するに当たり,トランジットの測定からの等温スケールハイトを示す代数公式を再検討した.その結果,Lecaverier et al. (2008) と Bennecke & Seager (2012) での公式は同一である事を示す.前者は平均分子量の値を仮定して温度を推定していたが,後者はその逆を行っている.また,より重要なのは,これらの論文中の公式は雲の多い大気と雲のない大気を区別するのには使用できないということである.


論文中で定義した雲量を評価するための指数を,7 つの高温なガス惑星に適用した.
その結果,WASP-17b, WASP-31b, HAT-P-1b は可視光の範囲内では雲が存在しない大気を持つことが示された.また,より強く日射を受けている惑星においては,サブミクロンサイズの粒子からなる雲が少ないという暫定的な傾向が得られた

また,ナトリウムとカリウムの大気中の存在量の導出も行った.その結果,WASP-17b, WASP-31b, HAT-P-1b では ~ 102 cm-3 であり,その他の惑星では面密度の上限値が得られた.

これらの傾向を確定させる,あるいは否定するためには,より高精度でのナトリウム・カリウムの線スペクトルの観測が必要である.

Cloudiness Index

Cloudiness index の定義には,トランジット透過光のスペクトルにおける,ナトリウムとカリウムの線の形状を用いる.スペクトル線の中心部分とウィングの部分でのトランジット半径の差を ΔR とする.この時,ΔR は



となる (Heng et al. 2015).ここで,λ0 はスペクトル線の中心の波長である.

線の形状はローレンツ因子でよく表すことが出来る.



ここで,A21 はアインシュタインの A 係数,c は光速である.また,H は大気のスケールハイトである.

実際の観測で得られた差分を ΔRobs とし,cloudiness index を



と定義する.
完全に雲がない (cloud free) 大気であれば C = 1 となり,おおむね cloud free であれば C ~ 1 となり.また雲の多い大気の場合は C >> 1 となる.

Cloudiness Index の傾向

全体的には,惑星の平衡温度が高いほど雲量指数 C が低くなるという傾向が見られる.ただし観測の誤差が大きいためこの結果は暫定的なものである.特により低温な惑星の場合は,トランジット半径の測定の不定性が大きいため,C の誤差も大きなものとなる.

この結果とは対照的に,ホットジュピターの幾何学的アルベドは,惑星の平衡温度,表面重力,中心星の金属量との相関が見られないとの報告がある (Heng & Demory 2013).物理的には,仮にこの傾向が本当だとすると,サブミクロンサイズの粒子は大気がより強く日射を受けている場合は少なくなる事を示唆する.

また,C と表面重力,惑星質量との関連は不明瞭であった.

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