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arXiv:1607.00943
Gizis et al. (2016)
WISEP J060738.65+242953.4: A Nearby. Pole-On L8 Brown Dwarf with Radio Emission
(WISEP J060738.65+242953.4:電波放射のある近傍の pole-on の L8 褐色矮星)

概要

近傍 (7.2 pc) の距離にある褐色矮星 WISEP J060738.65+242953.4 の同時多波長観測を行った.観測に用いたのは,近赤外,電波と可視光である.

スピッツァー宇宙望遠鏡の 3.6 µm, 4.5 µm での 10 時間の観測では変動は見られなかった.
また,ケプラーの K2 ミッションの Campaign 0 で 36 日間観測がされており,この観測結果からは,周期が 1.5 時間〜 2 日で,変動の大きさが 1.5%以上の周期変動の存在は排除された.

また,同時観測ではないが,Gemini による可視光での観測で,リチウムが検出された.このことから,この天体の年齢は ~ 2 Gyr 未満という制限が付けられる.しかしバルマー線の放射は観測されなかった.

この天体は,電波の検出が報告されている L 型,T 型の褐色矮星の中でもっとも低いスペクトル光度を示す.また,天球面上に投影された回転速度も最も小さい.

観測的特徴

この天体は,特徴としては典型的な晩期型の L 型褐色矮星である.しかしスペクトル線が非常に鮮明に見えており,また変動が欠如している.そのため,地球から見てこの天体は pole-on (自転軸の方向から見ている状態) の位置関係にあることが示唆される.

WISEP J060738.65+242953.4 は,可視光のスペクトルからはスペクトル型は L8,近赤外線では L9 である (Castro & Gizis 2012).
また距離は 7.19 pc であり (Castro et al. 2013),北半球の空の中では最も近い位置にある晩期 L 型矮星である.全天の中では 3 番目である.

近距離にある pole-on の褐色矮星であり,将来的に様々な観測が期待される.例えば,スペクトル線の広がりや偏光に関する観測である.

この天体にもし惑星が存在すれば,視線速度のシグナルは小さく,アストロメトリのシグナルは大きいだろうと考えられる.

また,電波放射の確定とその特徴付けも必要である.

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