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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1701.03776
Anderson et al. (2017)
The discoveries of WASP-91b, WASP-105b and WASP-107b: two warm Jupiters and a planet in the transition region between ice giants and gas giants
(WASP-91b,WASP-105b,WASP-107b の発見:2 つの温暖な木星型惑星と1つの巨大氷惑星と巨大ガス惑星の遷移領域にいる惑星)

概要

3 つのトランジット系外惑星の発見を報告する.

WASP-91b は温かい木星型惑星 (warm Jupiter) で,金属豊富な K3 星の周りを 2.8 日周期で公転している.
WASP-105b は温かい木星型惑星で,金属豊富な K2 星の周りを 7.9 日で公転している.
WASP-107b は温かい大型海王星型惑星あるいは小型の土星的な惑星で,太陽組成の K6 星の周りを 5.7 日で公転している.

金属量が高い星および質量が大きい星の周りでは巨大惑星はより一般的であるように思われるという点を考慮すると,これらの惑星を持つ主星は全て金属量が豊富で,晩期型の星であるという点は特筆すべき点である.

WASP-105b と WASP-107b は惑星の軌道長半径から考えると弱い潮汐の状態にある.そのため,中心星の自転軸と惑星の公転軸の間の角度の測定から,短周期の巨大惑星の内側移動についての理解が得られるかもしれない.

WASP-107b の質量 (2.2 海王星質量 = 0.40 土星質量 = 0.12 木星質量) は,太陽系における巨大氷惑星と巨大ガス惑星の間の遷移領域に位置する.この惑星の半径は 0.94 木星半径であり,この惑星が H/He を主要な組成とする低質量のガス惑星であることを示唆している.そのためこの惑星は,原始惑星がガス惑星進化する途中で,大量のガスエンベロープを自身に降着し維持する時の下限質量が 2.2 海王星質量であることを示している.

WASP-107b が巨大氷惑星と巨大ガス惑星のどちらにより近いかは,透過光分光観測を介した大気の金属量の測定から分かる可能性があり,この惑星はその観測の非常に良いターゲットである.

パラメータ

WASP-91系

WASP-91
等級:12.0 等
スペクトル型:K3
有効温度:4920 K
金属量:[Fe/H] = +0.19
質量:0.84 太陽質量
半径:0.86 太陽半径
WASP-91b
軌道周期:2.798581 日
質量:1.34 木星質量
半径:1.03 木星半径
平均密度:木星の平均密度の 1.3 倍
軌道長半径:0.037 AU
平衡温度:1160 K
軌道離心率は 0 を仮定 (2 σ で < 0.07)

WASP-105系

WASP-105
等級:12.1 等
スペクトル型:K2
有効温度:5070 K
金属量:[Fe/H] = +0.28
質量:0.89 太陽質量
半径:0.90 太陽半径
WASP-105b
軌道周期:7.87288 日
質量:1.8 木星質量
半径:0.96 木星半径
平均密度:木星の平均密度の 2.0 倍
軌道長半径:0.075 AU
平衡温度:900 K
軌道離心率は 0 を仮定 (2 σ で < 0.04)

WASP-107系

WASP-107
等級:11.6 等
スペクトル型:K6
有効温度:4430 K
金属量:[Fe/H] = +0.02
質量:0.69 太陽質量
半径:0.66 太陽半径
WASP-107b
軌道周期:5.721490 日
質量:0.12 木星質量
半径:0.94 木星半径
平均密度:木星の平均密度の 0.14 倍
軌道長半径:0.055 AU
平衡温度:1770 K
離心率は 0 を仮定 (2 σ で < 0.4)

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