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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1507.02661
Tabeshian & Wiegert (2015)
Detection and Characterization of Extrasolar Planets through Mean-Motion Resonances: Simulations of Hypothetical Debris Disks
(平均運動共鳴を通した系外惑星の検出と特徴の評価:仮想デブリ円盤のシミュレーション)

概要

惑星が、力学的に"冷たい"(軌道離心率や軌道傾斜角が小さい)デブリ円盤にギャップを開けるシミュレーション。
惑星軌道周辺だけではなく、惑星との平均運動共鳴(mean motion resonance, MMR)の場所にもギャップが開く。そのため、すべてのギャップが惑星を持っている必要は無い。

多くの惑星・デブリ円盤のパラメータに対して、惑星との平均運動共鳴によって開けられるギャップは大きく深いため、検出可能である。ただしこれまでにデブリ円盤のMMRによるギャップの観測例は無い。

ギャップの形状とサイズは、惑星の場所、軌道離心率、惑星の質量、そして不可視の惑星の存在を示唆する可能性がある。
また、観測されるギャップの幅と場所から、惑星の質量を計算するための手法についても記載した。

計算モデル

Wisdom-Holmanアルゴリズム(Wisdom & Holman 1991)に基づく、シンプレクティック積分手法を用いて粒子シミュレーションを行った。
時間刻みは50日で固定。
計算データは10000年ごとにアウトプットし、1 Myrまで計算した。

中心星は太陽質量とし、円軌道か、わずかに離心率を持つ惑星を1つおいてシミュレーションした。

デブリ円盤を構成する粒子は、
・惑星に遭遇した
・中心星から、10太陽半径いないに接近した
・1000 AU以上の距離に達した
以上の場合は、以降の計算から除外した。

中心星と惑星、中心星と粒子、惑星と粒子の相互作用を計算し、粒子同士の重力相互作用は無視した。
粒子に対しては、ポインティング・ロバートソン効果は無視した。
また、デブリ円盤の質量は惑星以下とした。

惑星質量は、1.0地球質量から9.0木星質量までを計算。
軌道長半径は、木星と同じ 5.204 AUのみとし、その内側あるいは外側にデブリ円盤をおいて計算を行った。
軌道離心率は、0の場合と、木星と同じ 0.0489の場合の計算を行った。

計算結果など

惑星の内側にデブリ円盤があり、惑星の離心率が0の場合は、2:1 MMRの位置にギャップが形成された。
2:1 MMRの位置については、惑星が存在する側と、中心星を挟んで反対側が特に深く明確なギャップが形成された。惑星がある側と、その反対側に、2つのアーク上のギャップが形成されている状態である。

惑星の内側にデブリ円盤があり、惑星の離心率をわずかにつけた場合は、2:1 MMRの場所に加え、さらに内側の 3:1 MMRの位置にも細いギャップが形成された。

惑星の外側にデブリ円盤があり、惑星の離心率が0の場合も、2:1 MMRの位置にギャップが形成された。
ただしこの場合は、惑星が存在する側が特にギャップが深く、中心星を挟んで反対側には明確な構造は見られない。惑星が存在する側に、1つのアーク上のギャップが形成されている状態である。

惑星の外側にデブリ円盤があり、惑星の離心率をわずかにつけた場合は、こちらも2:1 MMRの位置にアーク上のギャップが形成され、さらに外側の3:1 MMRの位置付近にも細いアーク上のギャップが形成された。

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