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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1702.00448
Wyttenbach et al. (2017)
Hot Exoplanet Atmospheres Resolved with Transit Spectroscopy (HEARTS) I. Detection of hot neutral sodium at high altitudes on WASP-49b
(トランジット分光観測 (HEARTS) 分解された高温の系外惑星大気 I WASP-49b の高高度における高温の中性ナトリウムの検出)

概要

ホットジュピターの代表例である HD 189733b のトランジット中の,可視光領域での高分解能分光観測から,Na I D 線のスペクトルを検出することができ,惑星の高層大気の極端な環境を探ることが出来る.

ここでは,系外惑星の上層大気の分光学的サーベイ (HEARTS) の一環として,高温の巨大ガス惑星の比較研究を行い,中心星の輻射が惑星の上層大気にどのように影響を及ぼすか調べた.ここでは,HEARTS による最初の観測を報告する.

今回は,高温の土星質量惑星 WASP-49b を観測した.ESO 3.6 m 望遠鏡の HARPS 高分解能分光器を用いて惑星を観測し,126 のスペクトルを取得した,また WASP-49b の 3 回のトランジットを観測した.

惑星のトランジットスペクトルを解析して大気のモデリングを行った.この際に,恒星起源の可能性がある疑わしいスペクトルに対しては特に注意を払った.

解析の結果,惑星大気中に Na I D 線を分光学的に分解することが出来た.このシグナルは恒星光スペクトルの混入とは考えにくい.

D2 線 (2.0 ± 0.5%) と D1 線 (1.8 ± 0.7%) のコントラストが大きく,これは高温の中性ナトリウム (1960 (+400, -500) K) が高高度 (~ 1.5 惑星半径,~ 45000 km) にあるということを示唆している.この惑星の cloudiness index (雲の存在度を定量的に評価する指数) の推定から,この惑星の大気は,ナトリウムのスペクトル線で観測した高度は雲が存在しない環境であると考えられる.

WASP-49b は evaporation desert (惑星が中心星の輻射の影響で蒸発してしまう領域) の境界に近く,HD 189733b のようにその境界から離れたパラメータを持つ惑星に比べて熱圏の特徴が大きく出ている.

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