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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1702.05483
Hallakoun et al. (2017)
Once in a blue moon: detection of 'bluing' during debris transits in the white dwarf WD1145+017
(滅多に発生しない:白色矮星 WD1145+017 でのデブリのトランジット中における "青化" の検出)

概要

白色矮星をトランジットする微惑星が WD 1145+017 のケプラー K2 データ中に最近初めて発見され,その後も集中的に観測されている.複数回発生する,長く,変動性のあるトランジットは,トランジットする天体がダスト雲であり,おそらくは破壊されつつある小惑星によって生成されたものだということを示唆している.

さらにこの系は,おもに u’ バンドにおける広がった吸収線の存在から,星周ガスを含むことが示されており,また赤外超過からは周囲にダスト円盤が存在することも示されている.

ここでは,WD 1145+017 のトランジット中における色の変化の初めての検出を報告する.観測には,u’, g’, r’, i’ バンドにわたる ULTRACAM での多波長同時高速測光観測を用いた.

観測は,トランジット最中の “青化 (bluing)” と思しき現象の存在を明らかにした.トランジットは赤い側の波長のバンドではより深くなっており,u’ - r’ の色の違いは最大で -0.05 等級であった.

この bluing の考えられる原因について考察した.
分光観測データを元にしたトランジット中と非トランジット中の総合的な測光データと,測光観測によるデータとを比較すると,色の違いはトランジット中にその波長における星の周囲での吸収が減少したことによると考えられる.

このことは,トランジットしている天体とガスは同じ視線方向を共有しており,ガスは白色矮星を部分的に隠しているという状態であると推測される.このような状況は,ガスと,トランジットするデブリと,赤外超過を放射しているダストが,同じ大きな円盤構造の一部になっている場合に実現できると考えられる (ただし,それぞれは異なる半径に位置している可能性がある).






論文タイトルの "once in a blue moon" は,「滅多に〜ない」という意味の成句です.

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