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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。


TRAPPIST-1 まわりの 7 個の惑星発見のニュースがありましたが,7 個のうち 2 個は 2016 年に既に発見報告がされていました.その論文をついでにメモ.
2017 年の 7 惑星発見の記事はこちら.
天文・宇宙物理関連メモ vol.389 Gillon et al. (2017) TRAPPIST-1 まわりの 7 つの惑星の発見


arXiv:1605.07211
Gillon et al. (2016)
Temperate Earth-sized planets transiting a nearby ultracool dwarf star
(近傍の超低温矮星をトランジットする温暖な地球サイズ惑星)

概要

有効温度が 2700 K よりも低い恒星は,’ultracool dwarfs’ (超低温矮星) と呼ばれる.極めて低質量の恒星だけではなく,褐色矮星 (水素核融合を維持できるほどの質量がない準恒星状天体) もこの異質のグループに含まれる.このような天体は,太陽近傍にある天体の 15%を占める.

惑星形成のコア降着モデルによると,これら超低温矮星のような低質量の恒星の周りに出来る小さく軽いの原始惑星系円盤では,多数個の,しかし現時点では未検出の地球型惑星が形成されると考えられる.これらの惑星は,金属が豊富な水星サイズの惑星から,より "快適" な揮発性成分に富んだ地球サイズの惑星まで幅広い環境であると考えられる.


ここでは,12 pc の距離にある超低温矮星 TRAPPIST-1 の周りの,3 個の地球サイズのトランジット惑星の検出を報告する.内側の 2 惑星はそれぞれ地球の 4 倍と 2 倍の日射を受けている.そのため中心星のハビタブルゾーンの内縁に近い位置にある.
3 番目の惑星に関しては,考えられる軌道要素の解が 11 個あって軌道が確定していないが,もっともらしい解の場合は,日射量は地球が受けるものより低い値となる.

中心星の赤外線での光度が明るいことと,中心星のサイズが木星に近いことを考えると,この系の状態をフォローアップ観測で特徴づけられる可能性がある.

パラメータ

TRAPPIST 望遠鏡によって観測された,TRAPPIST-1 のまわりでの惑星の発見事例である.この星はスペクトル型が M 8.0 であり,三角視差から,太陽系からの距離が 12.0 ± 0.4 pc.推定年齢は 500 Myr 以上である.
TRAPPIST-1
等級:V=18.80
距離:12.1 ± 0.4 pc
光度:0.000525 太陽光度
質量:0.080 太陽質量
半径:0.117 太陽半径
平均密度:50.3 太陽密度
有効温度:2550 K
金属量:[Fe/H] = 0.04
自転周期:1.40 日
年齢:> 500 Myr
TRAPPIST-1b
軌道周期:1.510848 日
軌道長半径:0.01111 AU
半径:1.113 ± 0.044 地球半径
日射量:地球の日射量の 4.25 倍
平衡温度:400 K (ボンドアルベドが 0.00 の場合),285 K (0.75 の場合)
TRAPPIST-1c
軌道周期:2.421848 日
軌道長半径:0.01522 AU
半径:1.049 ± 0.060 地球半径
日射量:地球の日射量の 2.26 倍
平衡温度:342 K (ボンドアルベドが 0.00 の場合),242 K (0.75 の場合)
TRAPPIST-1d
半径:1.168 ± 0.068 地球半径

軌道周期の解は,4.551, 5.200, 8.090, 9.101, 10.401, 12.135, 14.561, 18.202, 24.270, 36.408, 72.820 日.もっともらしいのは 18.202 日.
取りうる平衡温度は,ボンドアルベドが 0.00 で 110 - 280 K,0.75 で 75 - 200 K.






この発見のうち,TRAPPIST-1b, c の 2 つは後の Gillon et al. (2017) で重ねて存在が確認されました.しかし TRAPPIST-1d は Gillon et al. (2017) ではここでのパラメータでは確認されず,ここでの TRAPPIST-1d の存在はいったん否定され,改めて TRAPPIST-1d を異なるパラメータで発見,さらに TRAPPIST-1e, f, g, h を発見したということになっています.

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