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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.01407
Kiss et al. (2017)
Discovery of a satellite of the large trans-Neptunian object (225088) 2007OR10
(大きい太陽系外縁天体 (225088) 2007OR10 の衛星の発見)

概要

2007 OR10 は,現在分かっている中で 3 番目に大きな海王星以遠領域の天体である.放射測定から推定されている直径は ~ 1535 km である.

この天体は自転周期 ~ 45 時間のゆっくりとした自転をしていることが分かっている.この遅い自転は,今のところ発見されていない衛星との潮汐相互作用によるものだと考えられていた.

ここでは,この天体の衛星と思われる天体の発見を報告する.ハッブル宇宙望遠鏡の WFC3/UVIS のアーカイブデータ内から同定した.衛星は 2 回の時期において検出されたが,その軌道や軌道周期を明確に決定することはできなかった.この天体系の質量の推定値としてもっともらしい 1.5 - 5.8 × 1021 kg という値から,軌道周期はおそらく 35 - 100 日の範囲と思われる.

衛星は,ハッブル宇宙望遠鏡でのデータ中では 2007 OR10 よりも 4.2 等級暗い.衛星が 2007 OR10 と同じアルベドを持つと仮定した場合,これは衛星の直径が 237 km であることに対応している.この衛星のサイズは小さいので,過去の 2007 OR10 のサイズとアルベドの推定値は変わらない.

今回の発見により,1000 km より大きい太陽系外縁天体は全て衛星を持つこととなった.これは過去の太陽系内での衛星形成理論への重要な制約となるだろう.

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