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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1703.02056
Jacklin et al. (2017)
Transiting Planets with LSST III: Detection Rate per Year of Operation
(LSST でのトランジット惑星 III:運用期間中の年あたりの検出レート)

概要

計画中の望遠鏡 Large Synoptic Survey Telescope (LSST) は全観測予定期間中に,およそ 10 億個の恒星の光度曲線を生成できる.

過去の我々の研究では,LSST の 10 年間のミッション期間中に,LSST の “deep drilling” cadence を用いて,大量のトランジット系外惑星系を検出できることを示した.ここでは過去の研究をさらに進展された.

検出可能な系外惑星として,地球から数キロパーセク離れた位置にある,太陽型星を公転するホットジュピター,K 型星を公転するホットネプチューン,また低質量の M 型星を公転するスーパーアースを例にして検出レートを見積もった.

その結果,トランジット惑星の検出レートはデータの蓄積とともに増加し,観測開始後 4 - 6 年で大きく (≳ 10%) なるだろうと見積もることが出来る.短周期 (≦ 2 日) の G 型星まわりのホットジュピターと K 型星まわりのホットネプチューンに関しては,LSST 観測の最初の 1 - 2 年で発見されるだろう.

LSST について

LSST は,現在チリの Cerro Pachon に建設中の大型地上望遠鏡である.2020 年ごろにファーストライト (観測開始) 予定である.

LSST の科学観測の目標は,大きく分けて 4 つある.ダークマターとダークエネルギーを理解すること,太陽系内の天体のカタログ作成,銀河系の構造と形成の理解,過渡的かつ変動する天体の観測である.この論文では,この一番最後の目標に関連して,トランジット系外惑星の検出の潜在的可能性について議論した.

ケプラーや TESS,また小型の地上望遠鏡 KELT や HAT-Net や SuperWASP と違い,LSST は系外惑星検出に特化していない.LSST は 2 つの主要なモードで動く予定.一つは ”Regular” モードで,観測時間の 90%を占める予定であり,LSST の 10 年間に渡るミッションで対象天体をおよそ 1000 個観測する.もう一つは ”Deep drilling” モードで,残りの 10%の観測時間を使い,10 年の後に ~ 10000 個の天体を観測する.
これらの観測モードは系外惑星検出には適していないが,特に deep drilling モードでは多数のホットジュピターやその他の短周期系外惑星の検出が期待できる.

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