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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1705.08427
Ballesteros et al. (2017)
KIC 8462852: Will the Trojans return in 2021?
(KIC 8462852:トロヤ群は 2021 に回帰するか?)

概要

KIC 8462852 はケプラーカタログ中の 100000 個を超える恒星の中でも際立っており,奇妙な特徴を持った光度曲線を示すことが知られている.この天体で検出されたのは,広く非対称な光度曲線を示す減光で,恒星の光の 15%の減光に相当する.
減光の周期は複数あり,細い減光が主要な減光のおよそ 700 日後に発生している.

この異常な振る舞いを説明するための複数のモデルが提案されている.これらのモデルの多くは,非現実的な要因か,ファインチューニングされたタイミングのどちらかを必要とする.

ここでは,比較的自然なモデルを提案する.ここで提案するモデルは,過去に観測例がある現象だが,その現象のより大きく重い天体でのケースである.

このモデルでは,大きく,環を持った天体が最初の減光を引き起こしていると考える.さらに,その天体と軌道を共有しているトロヤ群天体の群れが,二番目の複数の減光を引き起こしているとするものである.天体の軌道周期は ~ 12 年,軌道長半径は 6 AU と考えられる.この文脈では,最近観測された小さい減光は,環を持った天体の二次食で説明可能である.

このモデルからは 2 つの予言を行うことが出来る.次のトロヤ群天体の群れが恒星の手前を通過するのは 2021 年の前半になるだろう.また,メインの天体のトランジットは 2023 年の前半に発生するだろう.


メインのトランジットを起こしている惑星は,中心星の 0.3 倍の半径で,幅が中心星の直径の 5 倍の大きな環を持ち,その傾きは 5°とする.また,この惑星と同じ軌道上で,60°先行した位置と後ろの位置に,トロヤ群天体の群れが存在すると仮定する.
2009 年 5 月 1 日の不規則な変動は,先行するトロヤ群による減光の一部を観測したもの,2011 年 3 月 4 日の減光は,惑星本体と環による単一で深いトランジット,また 2013 年 2 - 5 月までの不規則な減光は,後続するトロヤ群天体の群れによるトランジットと仮定する.

また 2017 年 5 月 19 日に見られる小さい減光は,惑星が恒星の背後に隠れた二次食による減光と考えることが出来る.これによると,先行するトロヤ群が再びトランジットをするのは 2021 年初頭と予測される.

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