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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1705.10810
Owen & Wu (2017)
The evaporation valley in the Kepler planets
(ケプラー惑星における蒸発の谷)

概要

California Kepler Survey チームによって,低質量の近接系外惑星の光蒸発駆動の進化モデルを支持する証拠が提案された (Fluton et al. 2017).

軌道周期 100 日以内のケプラー惑星の半径分布は,明確に二峰性を持つことが分かっている.分布のピークは 1.3 地球半径と 2.6 地球半径にあり,その間を “谷” で分けられたような分布になっている.このような “evaporation-valley” の存在は,数値モデルで過去に予測されていた.

ここでは,シンプルな解析モデルを用いて先の数値的な結果を再現するとともに,再現するための条件を明らかにした.

惑星のエンベロープが喪失するタイムスケールは,水素ヘリウム豊富なエンベロープでは最も長く,この場合質量では数%であるが,惑星のサイズをファクター 2 大きくする.エンベロープ喪失のタイムスケールは,エンベロープがこれよりも軽い場合は減少する.これは,エンベロープが希薄になるのに従い,惑星の半径は大部分は一定にとどまり,光蒸発を起こす高エネルギーフラックスを受ける量も一定であるためである.

喪失のタイムスケールは,より重いエンベロープに対しても減少する.これは惑星がエンベロープ質量の追加よりも早く膨張することが要因である.そのため光蒸発は,惑星を裸のコア (~ 1.3 地球半径) か,2 倍のコア半径を持つ惑星 (~ 2.6 地球半径) のどちらかへと進化させる.このことは,観測されている谷の存在と,2.6 地球半径以上の半径を持つ惑星の急激な減少の両方を説明できる.

観測されている半径分布からは,ケプラー惑星は 3 地球質量周辺にクラスタリングしていること,惑星誕生の時点で H/He エンベロープを質量の数パーセント以上持っていること,またそれらのコアは一様に地球の組成と類似している事が要求される.そのようなエンベロープは,ガス円盤の散逸の前に惑星へ降着している必要がある.

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