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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1706.04686
Moses & Poppe (2017)
Dust Ablation on the Giant Planets: Consequences for Stratospheric Photochemistry
(巨大惑星におけるダストのアブレーション:成層圏での光化学への影響)

概要

惑星間空間ダストのアブレーション (ablation, 溶発) は,木星,土星,天王星,海王星の高層大気に酸素を供給する.最近の力学的モデルによる巨大惑星へのダストの流入率の予言 (Poppe et al. 2016) を用いて,惑星大気中でのダストのアブレーションのプロファイルを計算し,これらの惑星の成層圏における酸素-炭化水素の中性光化学について調べた.

その結果.エッジワース・カイパーベルト天体,木星族彗星,オールト雲彗星から供給されるダスト粒子によって,酸素原子の有効流入率は,木星で 1.0 (+2.2, -0.7) × 107 個 cm-2 s-1,土星で 7.4 (+16, -5.1) × 104 個 cm-2 s-1,天王星で 8.9 (+19, -6.1) × 104 個 cm-2 s-1,海王星で 7.5 (+16, -5.1) × 105 個 cm-2 s-1 と推定される.

アブレーションを受けて供給された酸素のその後は,最初に輸送された分子/原子の形態に部分的に依存する.また,運び込まれた大気の高度にも依存する.成層圏での主要な生成物は CO,H2O,CO2 であり,これらは光化学的に比較的安定である.

モデルとデータの比較から,惑星間空間ダスト粒子は木星と天王星には十分な量の酸素を運び込むが,土星と海王星への流入量は中間成層圏で現在見られている CO 存在度を説明するには遥かに少ないことが分かった.この結果は,全ての巨大惑星は過去数百年の間に大きな彗星衝突を経験したとする理論と整合する.またこの結果は,木星成層圏における背景水分子存在度の低さは,アブレーション最中もしくは直後の,ダスト起源の酸素を CO へ効率的に変換する過程が存在することを示唆している.光化学反応単独では,巨大惑星において H2O を CO に効率的に変換できないためである.

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