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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1707.06238
Bonavita et al. (2017)
Orbiting a binary: SPHERE characterisation of the HD 284149 system
(連星周りを公転する:HD 284149 系の SPHERE による特徴付け)

概要

SPHERE を用いた HD 284149 系の赤外線での観測結果について報告する.この観測では,主星と,伴星の褐色矮星のより詳細な特徴付けを行った.

撮像観測モードと分光観測の両方で観測を行った.
撮像観測からは,これまで未発見であった,低質量 (0.16 太陽質量) の伴星 HD 294149 B が,中心星 HD 294149A から ~ 0.1” の位置に検出された.これは過去に観測されていた視線速度の変化の報告と整合する結果であり,また Gaia と Tycho-2 による固有運動の違いとも合致する結果であった.

また,既に存在が判明している褐色矮星の伴星 HD 284149b は,撮像観測データ中にも明確に捉えられた.これにより,この褐色矮星の測光観測データと位置天文学データの両方を改善した.スペクトルデータからは,温度とスペクトル型の推定を改善した.

また系の年齢と距離の再評価も行い,各天体の質量と軌道長半径のより精密な値を導出した.

今回の研究の結果,HD 284149 ABb は,大きな軌道半径を持って連星の周りを公転する軌道にある褐色矮星の,(少ない) 一覧に新しく加わる事となった.今回の結果は,このような配置にある天体の存在頻度は,単一の恒星の周りを離れた軌道で公転する天体と同程度の存在頻度であるという最近の主張を支持する新しい証拠である.

HD 284149 系について

スペクトル型 F8 の恒星 HD 284149 から ~ 3.6” の位置にある褐色矮星伴星 HD 284149b は,Bonabita et al. (2014) によって直接撮像で発見された.この時,質量は 32 (+18, -14) 木星質量と推定され,測光観測データからは,褐色矮星のスペクトル型は M8 - L1 の間と推定された,また,有効温度は 2537 K とされた.しかし褐色矮星の分光観測は行われておらず,スペクトル型などの推定には不定性が残っていた.

今回の観測の結果,HD 284149b はスペクトル型は M9 で,有効温度 2300 K と推定された.

また Gaia による年周視差と固有運動から,この系までの距離は 113.50 pc と測定され,年齢は 35 Myr と推定された.HD 284149b の軌道長半径は 432.1 AU で,質量は 26 ± 3 木星質量と推定される.

また,今回の観測では,HD 284149A に近接した,低質量の恒星質量伴星 HD 284149B を検出した.これは中心星から ~ 0.1” の位置に検出され,質量は ~ 0.16 太陽質量であった.これは Bonavita et al. (2014) で報告されている視線速度の変動と合致する結果であった.また今回の結果は,遠方の週連星軌道にある褐色矮星の存在頻度は,単一の恒星の周りの褐色矮星の存在頻度と類似しているという主張 (Bonabita et al. 2016) を支持する結果.

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