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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1707.07521
Triaud et al. (2017)
The EBLM Project IV. Spectroscopic orbits of over 100 eclipsing M dwarfs masquerading as transiting hot-Jupiters
(EBLM プロジェクト IV.トランジットするホットジュピターになりすましている食を起こす M 型矮星 100 個以上の分光学的軌道)

概要

CORALIE 分光器を用いて,8 年を超える期間に渡って 118 個の単線分光連星 (single-line binary star) の 2271 回の視線速度測定を行った.これらの連星は,主星が F/G/K 型星で,伴星が M 型矮星である.これらの連星は,初めは WASP の系外惑星サーベイ観測で測光学的に発見された.

これらは,ホットジュピターのトランジットシグナルに似た浅い食を示す.今回の観測では,連星の軌道要素と質量関数の詳細な特徴付けを行った.この特徴付けは,恒星物理と M 型星まわりの系外惑星サーベイの両方に寄与するものである.
特に今回の観測では,0.2 太陽質量未満の伴星を持つ系を 34 個発見した.そのため,よく特徴づけられた質量と半径を持った極めて低質量の恒星の発見個数を,最終的には倍にする可能性がある.

今回の観測をドップラー偏移のデータと組み合わせることで,軌道離心率が 0.001 程度のものまで検出でき,軌道周期も秒未満の精度で決定できる.


今回のサンプル中には,いくつかの例外的な連星系を発見した.例えば,軌道周期が 3 日よりも短いが軌道がゼロではない軌道離心率を持つものや,軌道周期は 10.4 日と比較的長いが円軌道のものである.

今回のサンプルの中で特に目立った特徴を持つ系として J1146-42 がある.この系は,1 AU の範囲内に 3 つの恒星が存在する.EBLM で観測されている連星と,過去に報告されている WASP サーベイでの惑星と褐色矮星のデータから,過去の研究の 2 倍の精度の質量スペクトルを導出した.これによると,褐色矮星欠乏領域はより広いように思われる.惑星の存在頻度が大きく減少するのは ~ 3 木星質量あたりからで,重水素燃焼限界の前まで続く.このことは,重いガス惑星の形成と移動の歴史を解明する手がかりになる可能性がある.

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